アトピー対策にシステム思考を応用すると

今年はアトピー・花粉症を中心としたアレルギー反応との闘いが日々を多くの割合を占めている気がする。きっと年末に一年を振り返る時にはTOP 10に入ることが間違いないような気がするくらい。

仕事もプライベートも落ち着いて安定しているから、ある意味人生においてちょうどいいタイミングでもある、自分の体にしっかりと向き合う機会。

で、最近それを踏まえて何をしているかというと、ソーシャルセクター・インパクトセクターでここ近年ややバズワード化(流行り)になりつつある「システム思考」を、アトピー対策に当てはめているところ。

このエントリーでは、「システム思考」とは、の話と具体的にどうアトピー対策に応用しているか、の話。

システム思考とは

「システム思考は、複雑な状況下で変化にもっとも影響を与える構造を見極め、さまざまな要因のつながりと相互作用を理解することで、真の変化を創り出すためのアプローチです。問題の見えている部分を近視眼的・表層的にとらえるのではなく、全体像をさまざまな要素のつながりとして理解し、本質的な原因を見通して、他の分野や将来に悪影響を及ぼさない、最も効果的な解決のための働きかけを考えます。」- チェンジ・エージェントwebsiteより

もともと、物理学や生物学では当たり前のように浸透している考え方で、その分野の専門家を遡るとDavid Bohm (1917-1992)(デヴィッド・ボーム)という20世紀後半の世界の思想家に大きな影響を与えた理論物理学者・哲学者の名前が大体登場する。彼はMITピーター・センゲに多大な影響を及ぼした人(センゲは今は70代前半だけれどまだまだ現役)であり、「ダイアローグ」という課題解決のアプローチを最初に唱え始めた人。もう一人この世界の権威で名前をよく見るのはDonella Meadows (1941-2001) という環境科学学者。

要はシステム思考ってそういう自然界や物理学の世界から派生してきたもの。最近ビジネスや社会の課題にこの考え方を当てはめようという動きがあるので、その文脈で聞くことが増えたものの、その動きは比較的新しいもの。

私の所属する組織のAcumenでも、Omidyar Network(eBayの創業者であるPierre Omidyarとその奥様が2004年に始めた慈善投資団体)と一緒にこんな無料のコースを作ったりしているのもそんな流れを受けて。

+Acumen | Systems Practice - Learn to use a systems thinking approach to move from 'impossible' to impact

システム思考を応用するために必要な4つの考え方

上記Omidyarが作った4分のビデオを参考までに。Systems Practice Mindsets from Systems TOG

システム思考モードを実践するために必要なマインドセットは4つ、とこのビデオでは説明されていて、それは:

  1. (課題解決をゴールにした場合)ゴールへの到達ではなく、システム全体を「健康的なもの」にすることを目指すべし。

  2. 私たちは課題が目の前に現れたらそれに意識を向けがち。でも、そうではなく、見えている課題ではなく、その裏に存在する大きなパターンを見出すことが大事。

  3. 私たちは上手く機能していない・崩壊している部分にだけ意識が向きがちだけれど、システムは壊れているわけではないと理解すべし。今のシステムの中で何をどう動かすとシステムが自律的に良い変化を生み出すようになれるかを考えるべし。

  4. 変化への適応性を身につけることが大事。システムは様々な要因で変化し続けるものだから。

といったもの。

アトピーとの向き合い方に応用させると、つまり:

  1. アトピー完治ではなく、アトピーとハッピーに共存できる状態に維持することをゴールにする

  2. 皮膚の炎症が出てきた時にその炎症を治すことにフォーカスするのではなく、なぜそういう反応になったかのパターンを見出すように努力する

  3. アトピーは免疫システムの過剰反応の一つ。自分の免疫システムで機能しているところ壊れているところ、両方あるので、どうやったら自分の免疫システムが1.のゴールに向けて調整できるかの仕組みづくりを考える

  4. 今後も年齢や外部環境の変化に伴い自分の免疫力やアレルギー耐性は変化するだろうからそう意識し・準備し続けること

アトピー対策の第一歩

ということで、今月は三つのことをスタートしている。

  1. 皮膚科でのパッチテスト(80種のアレルギー源を背中に貼り、数日後に確認することで、今後避けるべきアレルギー源が判明する)

  2. アレルギー科での血液検査(42種のアレルギー源を両腕の肘上に垂らし、15分後に反応確認+詳細の食品アレルギーを確認するための血液検査)

  3. 日々の食事日記

まだまだ途中経過で辛いこともいっぱいなものの、中長期的には大事な一歩だと思って頑張り中。在宅勤務・リモートワークがOKな職場なのも救い。

とりあえず、今の時点でわかったこと:

  1. 皮膚科の結果では以下の18種のアレルギー源を避けることを推奨されたので、大量の化粧品・クリーム各種・洗顔フォーム・シャンプー・日焼け止めなどにサヨナラ。皮膚科推奨とか敏感肌用とかそういった事業会社による記載はこれから一切信頼せず、箱の裏にある小さな文字の化学名称を確認すること必須。また、家の掃除用具に使う洗剤・石鹸なども新しく購入。Amazon Prime Dayとか見ている場合じゃない。

    • Benzol Peroxide

    • Benzyl Salicylate

    • Carba Mix

    • Cocamidopropyl Betaine

    • Compositae Mix

    • Disperse Orange 3

    • Glyceryl Thioglycolate

    • Lidocaine

    • Methyldibromo Glutaronitrile

    • Neomycin Sulfate

    • Propolis

    • Propylene Glycol (PG)

  2. アレルギー科は3週間後検査がないと詳細はわからないものの、現時点ではDust Miteと猫とゴキブリアレルギーが確実、かつ食品もグリーンピース、ひまわりの種もアウト。それ以外にもいくつか怪しいのでここも確認予定。Dust Mite用のミニ掃除機や枕カバーも購入。

「アトピーとハッピーに共存できる状態」への道のりはまだ長いけれど、とりあえず最初の一歩はなかなか多くの学びに満ちている。

事後追記:結局皮膚科・アレルギー科などにこうやって相談してはいたのですが、ブレークスルーは東洋医学(具体的には鍼治療)との出会いでした。アトピーをうまくマネージすることができなくて10代・20代ことあるごとに悩み、振り回されていた自分ですが、30代後半になって、ハッピーに共存することができるようになりました(症状ゼロ)。食事制限もアレルギー源排除なども一切しない、普通の生活を送っています。本当びっくり。

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