"Japan Shrinks"人口の話
1週間ほど前にキャンパスのどこかで行われていたスモールミーティングにお昼休みを利用して参加してみました。
各国の人口動向に強い関心があり、研究をされているNIcholas氏は日本は「人口動向の視点からみて世界のpioneer(先駆者)である」と言いました。
日本が社会の高齢化、労働人口の縮小など人口動向に起因している課題にどう対処していくか、というのは先進国各国のみならず、高齢化の波が近い未来直撃する中国を始めとする成長国も注目しているようです。
その日本の人口の話。以前 「デフレの正体」の藻谷さんのお話を聞いた時にも思いましたが、この人口動態の波というのはジワジワとボディブローのように一国の国力/経済発展へ効いてくるものだと思います。
とはいえ私達個人一人一人がその影響力を意識することは日々の生活においてはあまり多くない。
そういうちょっと遠い世界のことを身近に感じるには「見える化」が効果的。それを端的に伝えている有名なTEDスピーチ。ちょっと人口の話から逸れますが、いかにマクロな話をデータの可視化を通じて理解を深めるか、という話として関連があるかと。
スペインなどの欧州諸国でも人口動向に変化が起きている、そんなGlobal Agingの時代。そんな中で日本には特有の謎もあるとNicholas氏。
実は「将来何人子どもが欲しいですか?」に対して、各国の女性がどう答えるかという事は、他の指標(女性の収入や学歴なども含む)よりもそれぞれの国の出生率を予測するための先行指標として参考になるものなのらしい。
各国の女性の「将来何人子どもが欲しいですか?」に対する答に「実際に生んだ子どもの数」が中長期的にジワジワと近づいて行くということらしい。
と、そういう動きが他国で認識されているにもかかわらず、この法則が日本だけは当てはまらないらしい。つまり日本人女性は「●人子どもが欲しい」と言葉で言っていても、何年たっても行動にそれを移すことがないということか・・。これは口で言っているほど本当はそこまでその人数の子どもが欲しくないのか、本当は欲しいけれど我慢したり諦めたりすることが出来てしまうのか・・。
自分は日本人なのでなんとなく色々と想像できるけれど、彼にはとても不可解なことらしく、「どうしてだと思う?」と、ミーティングの場にいた人達に問いかけをしていた。
ちなみに出生数の増減のトレンドというものは、実際3世代くらい(半世紀以上)かけないと「変わる」ことはないらしい。
と、すると、減少傾向にある日本という国が労働力や価値創造力を国として維持するためにはどうしていくべきか。移民受け入れや福祉や医療の世界でのイノベーションの推進、定年引き上げ(というかlife long learner/worker/entertainerとなるべく個人レベルでの意識改革)、一人当たりの価値創出量を高めるための教育のあり方を含め色々な分野でディスカッションをもっと積極的に進めていく必要があるのではないだろうか。。。
関連エントリー: 日本の出生数90万人割れニュースを受けて(2019年)
可視化されたデータのインパクト
スピーカーは Nicholas Eberstadt氏。Political Economistという肩書きの彼は前置きとして「自分はJapan Expertではないけれども」と言った上で、プレゼンを開始。テーマは「Japan Shrinks: Some Reflections on Depopulation and its implications」各国の人口動向に強い関心があり、研究をされているNIcholas氏は日本は「人口動向の視点からみて世界のpioneer(先駆者)である」と言いました。
日本が社会の高齢化、労働人口の縮小など人口動向に起因している課題にどう対処していくか、というのは先進国各国のみならず、高齢化の波が近い未来直撃する中国を始めとする成長国も注目しているようです。
その日本の人口の話。以前 「デフレの正体」の藻谷さんのお話を聞いた時にも思いましたが、この人口動態の波というのはジワジワとボディブローのように一国の国力/経済発展へ効いてくるものだと思います。
とはいえ私達個人一人一人がその影響力を意識することは日々の生活においてはあまり多くない。
そういうちょっと遠い世界のことを身近に感じるには「見える化」が効果的。それを端的に伝えている有名なTEDスピーチ。ちょっと人口の話から逸れますが、いかにマクロな話をデータの可視化を通じて理解を深めるか、という話として関連があるかと。
そのNicholas氏が見せてくれた資料はネットで見つけた彼の
"Japan Shrinks"の記事にも掲載されていたものと同じ内容だったのですが。その中でも印象深かったグラフはUS Census Bureauの予想していた2050年までの日本の出生数トレンドカーブでした。
1872年からのデータと予想が提示されていたのですが、印象的だったのが:
1872年からのデータと予想が提示されていたのですが、印象的だったのが:
・1948年がピークだった日本の出生数
・その水準から6割ほど低い現在の水準、1880−1890年とほぼ同水準
・予想通りになるとすると明治初期と同水準になる!?
といった点でした。
似たような「見える化されたデータ」としては2010と2040(予想)の人口ピラミッドを比較したグラフin
2010年11月のEconomist誌の「The old and the older」もインパクトがあります。
Nicholas氏は「2040年には25人に1人の日本人が認知症またはアルツハイマーを煩っている社会になっている可能性もある」「そのときの社会はどのように機能しているのだろうか」と問いかけていました。
今起きていること
高齢化、少子化、晩婚化・・・このようなトレンドは別に日本に限られたことではなく、以前参加した 中嶋圭介先生の 「地球高齢化時代の到来ー米国・中国・インドの高齢化と日本」というセミナーでは「Global Aging」というテーマは欧米の政策関係社の間では90年半ばから語られている、と言われていましたし、去年はこんなカバーのEconomistもあったり。スペインなどの欧州諸国でも人口動向に変化が起きている、そんなGlobal Agingの時代。そんな中で日本には特有の謎もあるとNicholas氏。
実は「将来何人子どもが欲しいですか?」に対して、各国の女性がどう答えるかという事は、他の指標(女性の収入や学歴なども含む)よりもそれぞれの国の出生率を予測するための先行指標として参考になるものなのらしい。
と、そういう動きが他国で認識されているにもかかわらず、この法則が日本だけは当てはまらないらしい。つまり日本人女性は「●人子どもが欲しい」と言葉で言っていても、何年たっても行動にそれを移すことがないということか・・。これは口で言っているほど本当はそこまでその人数の子どもが欲しくないのか、本当は欲しいけれど我慢したり諦めたりすることが出来てしまうのか・・。
ちなみに出生数の増減のトレンドというものは、実際3世代くらい(半世紀以上)かけないと「変わる」ことはないらしい。
と、すると、減少傾向にある日本という国が労働力や価値創造力を国として維持するためにはどうしていくべきか。移民受け入れや福祉や医療の世界でのイノベーションの推進、定年引き上げ(というかlife long learner/worker/entertainerとなるべく個人レベルでの意識改革)、一人当たりの価値創出量を高めるための教育のあり方を含め色々な分野でディスカッションをもっと積極的に進めていく必要があるのではないだろうか。。。
関連エントリー: 日本の出生数90万人割れニュースを受けて(2019年)