Tomoko Matsukawa 松川倫子

View Original

ユニクロってやっぱり凄いね in NY

自分が大学生時代にNYの田舎に留学していたときのこと(2001-2005年)
そのころ一時帰国中に会った中高時代の恩師に当たる方から
ユニクロの凄さを聞く機会があった。
(その方はビジネスパーソンとしてグローバルに当時からご活躍されていた)

高品質なものが大好きなその先生のユニクロトークを聞きながら、
自分のそれまで抱いていたユニクロのイメージ(中高時代、皆が
買っていたフリース)がちょっとだけ変わるきっかけを得たのを
覚えている。

とはいえ、日本には他にも色々な物が売っているし、
自分も当時は10代後半〜20代前半とまだ若かったので
一時帰国中にシンプルな洋服が主体となるユニクロに買い物に
行く事はあまりなかった(と思う)。
当時一番ユニクロを褒めてた同世代の友人はアメリカ生まれの
日本人の友達(男性)で、彼は一時帰国中にユニクロのものを
しっかり購入し、NYに戻った後も上手くそれらを使い回し、
アメリカっぽいカジュアルさと素材の良さから醸し出される、
(手頃な値段のアメリカ服にはあまり見られない) 品の良さを
掛け合わせたような格好良いスタイルを維持していた。

時は流れ2012年。二回目のアメリカ留学。
前回の留学時との間には7年の時が流れ、
もちろんその間にユニクロ(ファーストリテーリング社)
も大きく変化していた。
商品・カラーバリエーションの拡充・機能性重視商品の導入・
ロゴを含めたブランドイメージの確立・積極的な海外展開など
色々なものが前回の時とは異なっていた。

ユニクロの変化に加え、自分は30歳になっていくタイミング、
買う洋服や重視する要素が大学生時代と変わって来たのも
関係するのかもしれない。理由はともかく、今回の留学期間中は
ユニクロのありがたさ&凄さを感じることが多々あった。

以下は過去8ヶ月ほどの私とユニクロの思い出 in United States 記録。

一番最初に今回の留学生活でユニクロに行ったのは
2012年の秋だった。ボストンにはユニクロがないので、
thanksgiving休暇かその前の連休を使ってNYに行った時に
確かSOHO店に寄ったのだったと思う。
冬が寒くて有名なボストンを意識し、カラフルで暖かそうだった
カシミアのセーターを色違いで2枚、カーディガンを1枚、
その他色々細かいものを購入した。

ボストンに戻ってその後の3ヶ月ほど。
そのカシミア達は大活躍。寒いボストンはコート等でモコモコに
なることが多いのだけれども、暖房もかなりきいているので
室内ではセーター一枚などで生活することが多い。そのための
セーター達。
本当は色違いで4枚、多用する色は2枚買っておけば良かったと
思うくらい。そのくらい気に入って使っていた。

そういえばそのNYに行った時、NYの地下鉄の乗り換えの
通路の両側が全てユニクロの宣伝広告でびっくりしたのも
覚えている。日本の会社の宣伝でこの空間が
埋まるなんて滅多にないのではないかな、と。

flickerより(http://www.flickr.com/photos/1walicki/6269569280/)

そのあと次に買い物したのは3月にもNYに行った時。
冬の成功体験を通じてこの購買戦略?に確信を持った私は
今度は薄手の素材のトップ(カシミア)を
色違いで2枚、その他色々と購入したと記憶する。
もちろんこれらもボストンに戻った後ずっと着ていた。
第二の成功体験。

ちなみに日本で親が買ってくれたユニクロのフリースパジャマの上下は
終始(今でも)大活躍です。

大学院生仲間のアメリカ人も中国人もシンガポール人もレバノン人も
フィリピン人も皆ユニクロ大好き。
一時期ボストンに出店されるという噂があり、開店日の
具体的な日程までささやかれていて、授業の後に行ってみようか
という企画が何人かの生徒の間で話題になったくらい。
いつの間にかユニクロというブランドは
世界で確固たるポジションを築きはじめているらしい・・・と
日本の中でそういう話を聞いて頭で理解していたことが
こっち側にきて現地の消費者として実感として理解され、
すごいなぁ、と思うのです。

で、その背景?となる同社のマーケティングやプレゼンスに
対する力の入れようを今日立て続けに目撃することとなる。

事の発端。
14th Street x 9th Avenueあたりでの用事が終わった後、
ふと、ユニクロに行こうと思い立つ。時間は午後6時。
Googleで見てみるとSohoと34th Streetと5th Aveの店舗という
選択肢がある。比較的近いし、まだ行った事ない店舗だし、と
思い34th Streetまで20ブロックほど雨の中歩くことにした。

周りにはLevisやZaraやGapなどが立ち並ぶ激戦区。ユニクロの
明るい店舗の中に入りカラフルな商品陳列の間をのんびりとショッピング。

まず、服が綺麗にたたまれている(気づき①)。
日本では当たり前だけれどもこっちでは
この規模の洋服屋さんでこれを常にキープできているところは
そこまで多くない。しかも今日行った店舗はスタッフ数も
そこまで多くない印象。なのにこの整頓ぶり。他の店舗より
空いていたせいだろうか?いつもよりその整いぶりが特に気になった。
(もちろん良い意味で)

この店舗は3階建ての建物。初めての店舗はいつもそうだけれども
一体どこに何があるのかあんまり分からない。
でもそこまで「MECEショッピング」をしたいわけでもないので
自分の気がむくままにウロウロと。
そこで気付いたのは1階に置いているものと同じものが
別のフロアにもある(気づき②)これって普通のことなのだろうか?
私のような「気ままなフラーッとshopper」が1階で見落とした場合も
3階でもう一回出会うチャンス=購入検討するチャンスを
増やすためにしているのだろうか、とふと思ってしまう。

そして、今日の買い物で一番「ほぅ!」だったのはレジの前に並んでいた
時のこと。今日はちょっと混んでいて、レジの前の列もなかなか
前に進まなかった。でも、レジの上にずらっと並んだフラットテレビが
飽きさせない。ユニクロコマーシャルの世界にズルズルと意識が
吸い込まれて行く仕組みとなっている。
よく高速ビルのエレベータの中や外にスクリーンをつけることで、
待つ人のfrustrationが軽減できる、というテクニックを聞く事が
あるけれど、まさにその状態。
もともとテレビを持っていない&見ない人間なのでTV CMって
新鮮。久々に解禁されると飲み込まれてしまいやすいのかもしれない
けれど、プロテニスプレーヤーとプロゴルフプレーヤーがそれぞれ
「僕はなぜユニクロを着るか」というコメントをさらっと
語るインタビューを眺めてた。結構かっこいい。。
私以外のお客さんでも見ている人が何人か(それ以外はスマホ見てる人)。
あまり意識しないで見ちゃうものだけれど確実に頭の中に
するっと入ってくるマーケティングメッセージ。上手く出来ているな、って
思ったり。スキマ時間にマーケティングする仕組み、上手だなぁと(気づき③)

もう一つプチ驚いたのは会計が終わった後にレジのお兄さんが
やったこと。彼は私のクレジットカードを返す時に両手で
返してくれた(気づき④)アメリカでそうやる人にほとんど
会わないため、むしろ違和感すら覚えてしまったけれど、笑、これが現場の
スタッフのユニクロトレーニングの成果なのだろうか、と
お兄さんの笑顔を見ながら考えさせられたりもした。

最後にここに書きたいのは レジ上に並んでいた テレビでも
しっかり宣伝されていたユニクロが MoMAで行っている
こちらのキャンペーン。先日お会いしたNY在住の日本人の方が
言っていたので存在は知っていたのだけれども、
会計が終わっていい気分で階段をおりようと思っていたら
こういうものが見えるところろにしっかり置いてあった。


ユニクロ Free Friday Nights at MoMA!


「In May, MoMA Launches UNIQLO Free Friday Nights and 
 Extends Its Public Schedule to Seven Days per Week」 
  Posted on April 15, 201
 5月以降ユニクロがスポンサーとなり、MOMA入場料が
 金曜の4−8時は無料になるというキャンペーン。
 Multi-year contractとなっているので数年に渡り実施するという
 ことだろうか。


    太っ腹すぎる。

http://www.selectism.com/2013/04/21 より

最近はブラック企業だのなんのと騒がれたり、
バングラディッシュの事故の後の同社の動きも
( 世界の衣料各社の動きとの対比を含め)注目されているユニクロ。
もちろん規模もインパクトも大きくなればなるほど多くの人が
一挙手一投足に注目するという事を指すので大変でしょうが
(個人的には CSRのプロジェクトや参加型マーケティング LUCKY LINE
興味のストライクゾーンに入っています)・・・・・
とりあえずアメリカ側から見て思うのは、色々と凄い会社だ、ということです。
Wonderfulの「凄い」という意味よりはむしろ
Impactful, unpredictable, dynamicな「凄い」って印象。


おやすみなさい。