Tomoko Matsukawa 松川倫子

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以前より大変になった?H1Bビザ

F1ビザ、OPT、そしてその後はどうなる?(2013年9月)のエントリ-の続きです。H1Bビザ申請に関する追加情報を得ることができたので共有です。今後のプロセスと自分が歩むかもしれない可能性をいくつか整理してみました。

現時点までの状況(自分のケース)

  • 2001-2005年F1ビザでアメリカ滞在(学士課程)

  • 2005年卒業後、すぐ日本帰国、OPT不申請

  • 2012年8月F1ビザでアメリカ入国(修士課程)

  • 2013年4月半ばOPT申請のためI-765などを送付

  • 2013年5月31日大学院卒業

  • 2013年6月9日OPT開始(OPT申請の時自分で選びます)(働いていない期間)1日

  • 2013年6月10日から7月14日まで5週間の契約社員生活(働いていない期間)ほぼ7週間(35日)※日本で他のインターン

  • 2013年9月3日から9月27日まで契約社員生活(働いていない期間)ほぼ10日  ※引越し、その他

  • 2013年10月8日から契約社員生活(2014年5月31日まで契約予定)(その期間海外出張 2週間+1週間+1週間+1週間)

今後の状況(自分のケース、H1Bにとって大切なのは4月という月)

  • 2014年4月1日に移民局へH1B申請資料提出予定、その瞬間にFビザOPTの人から「H1B申請中の人」にステータスが変更、その間海外渡航一切禁止

  • 2014年4月1-7日の間の応募数によって抽選実施の有無が判明(①)

  • 2014年6月9日OPT切れ(この日以降アメリカで働くことができません)

  • 2014年8月6日F1ビザについている「60日猶予期間」が切れる、この日以降アメリカに滞在するためにはビザの切り替えが必要、または日本へ帰国

①:抽選

以下はH1Bへの応募が最初の一週間で8.5万人を超え抽選があった場合のシナリオです。ちなみに最初の一週間で8.5万人を超えず、抽選がなかった場合はそのまま②へ進みます。2年前から始まったというこの追加ステップ・・「会社からスポンサーもらえそう」となってから、本当にビザがもらえるまでの間に立ちはだかる大きな壁です。成功率50%とかいう数値、微妙ですね・・(注:あくまでも2013年時点での情報です)。

流れとしては

  • アメリカの大学の修士課程を卒業した人対象の抽選実施

  • 抽選で選ばれた場合は②へ(上限2万人)

  • 抽選で選ばれなかった場合は世界中の大学の学士課程を卒号した人対象の抽選に参加

  • そこで選ばれた場合は②へ(上限6.5万人)

  • 二回目の抽選でも選ばれなかった場合はOPT最終日の6月8日までは働き続け、上記の通り8月6日に60日の猶予期間も終えることになります

②:書類選考

抽選が今年はなかった&あって選ばれた場合、本来の「H1Bスポンサーされた人」としての選考審査が始まります。ここからが本番です。

審査は具体的に①オファーレターの内容(前回のエントリ-に書いたようにポジションとのマッチなど詳細に見られます)、②Fビザ/OPTをきちんと維持していたかの確認(上記「働いていない期間」が90日以下かどうか、OPT期間中ちゃんと20時間/週働き続けていたか、税金関係をきっちりしていたか、含め)、③過去の全ての米国入国記録(以前学部生の時のもいつか必要になるらしく、日本にある古いパスポートが必要)、④大学、大学院の成績証明書+卒業証書のコピー、⑤銀行の入金履歴など

ちなみに4月1日から続いている「H1B申請中の人=海外渡航禁止」は続きます

この②のプロセスは9月31日まで続く可能性があり、その間に結果が分かった場合・・・「NO」の場合は「H1B申請中の人」でなくなるので即座に本帰国かビザの切り替え(申請にも3ヶ月ほどかかる3ヶ月のVisitorビザに切り替えるか、サマースクールや別の大学院に入り直してFビザをもらうか、米国人と結婚するか)という選択をする必要があります(時間足りるのか怪しいですが)。

ということでH1Bビザ取得の道のりとしては①抽選に受かるか、という成功率50%と言われる(年によりますが)プロセスをくぐり抜け、②従来の「なぜあなた個人を(アメリカ人ではなく)、その会社がそのポジションで今採用する必要があるのか」審査プロセスをくぐり抜けることが求められます。

ということで「会社がスポンサーするよ、と言ってくれた、わーい」とはほど遠く、「さあ、we will see」っていう感じですね。

それにしても

会社にオファーをもらい、自分の学んだこととポジションのdescriptionがぴったり合っていたとしても(書類選考に有利)抽選で検討すらされない可能性があるという現状。4月末で今住んでいるところの契約が終わりますが、うかうか数ヶ月の賃貸契約もできなさそうです。やれやれ。

先日エントリ-で書いた税金の時も感じたのですが、アウェーな土地で働くっていうのはこういう面倒な事と不確定さが伴うのだな、と。自分のコントロールできない部分というか。


話を聞いた弁護士に「あなたは見通し不透明な状況に対して心配を抱くタイプの人間ですか?」という質問をもらいましたが、「以前はそういう人間だったけれど、過去1年アメリカで契約社員を渡りつないで、なんとかしていった中でなんか大丈夫になった」と答えました。本当にそうで・・。

「比較的保守的」タイプの人間でも1年経つと色々変わるものだなぁ、と改めて思いました。それにしても健康保険がもらえるようになるのは嬉しい!今まで病気にかかることもなく、よく元気で来れたものです。パチパチ。

日本に次行けるのはいつか、という話ですが、ビザ申請で抽選で落ちる又は書類審査で落ちた場合は夏〜秋頃に強制送還になりますし、またはH1Bビザ申請状態が続いた場合は10月1日まで一切足を踏み入れることができない、と、そのどっちかになりそうです。

代わりに皆さん、ニューヨークに遊びにきてくださいませ。(m_ _m)

(2014年3月10日追記)
ちなみに、ビザの種類を変更するということは過去の色々な状況をしっかり確認されるということになります。税金もそうですが、きちんとF/OPTビザステータスを守っていたかもチェックされます。そのプロセスに関してとても重要なのが入国審査の時にたまに起こる人的ミスの存在。

今回弁護士からはこれからは毎回空港で米国への入国審査を受けた際、こちらの電子版I-94サイトにログインし(Baggage Claimに辿り着く前に)自分がしっかりと「学生ビザ」で入国できているかを確認するように、と強く勧められました。万が一間違っていた場合はただちにそこで修正依頼をしないと、後日修正のプロセスは面倒くさいのだとか。

私は前回米国に来た時に「ちゃんと」入国審査員がFビザ(OPT)の人間として登録してくれていたみたいなので「You are lucky」と言われました。そんな落とし穴があるとは・・・・・さすがアメリカです。

(2019年8月更新)