Tomoko Matsukawa 松川倫子

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リンゴとトマト

年を重ね、色々経験も積み、段々と「他人と自分を比較することで得られるものなんて何もないんだ」と頭で分かってきていても、自分には他人と自分を比較してしまう醜い部分がまだまだ残っているな、と感じることが時たまあります。

そんな自分だから、比較の対象となるような「一定の基準」が見えにくい、ゴチャゴチャなこの街で生活していることが気楽で、幸せなのかも、と思うこともたまにあります。色んな人がいて、色んな事が許容されているこの街には時々驚かされることもありますが。

一つ前の映画で「許されざる者」を観ていたときも、日本の映画館だったら明らかに「シーン」となるような、非常に真面目で深刻なシーンでも、「プッ」と笑う人や「Oh no-」とか溜め息つく人、急に拍手喝采が起きたり、日本人の感覚ではジョークではないのにジョークだと捉えられて20秒以上も笑いが会場内に続くときがあったり。

みんな色々。色々でいい。それが当たり前。

そう分かっていても、自分の癖というものはなかなか手強い。自分の中に存在する醜い部分がムクリと動きだそうとする時がないわけではないのです。

なので、自分の身近に「他人と比較することなんて馬鹿馬鹿しい」とあっさり言い放つ人がいるのはとても有り難いことだな、と思います。


例えば今日の会話もそのパターン。

私:(他人と自分を比較している人、を、更に自分と比較した内容を共有中)

相手:「I think comparing is kind of unfair by definition and as such I think it's stupid」

私:(まぁ、そうだけれどさ、比較しちゃうときだってあるよ)

相手:「because it's never comparing apples with apples」

相手:「it's always apples and oranges」

私;(そうだね・・うん・・)

相手:「or apples and tomatoes」

私:「like strawberries and watermelons? 」

相手:「・・・・・yes」



そうだよね。リンゴとトマト。

比較してもしょうがない。だって全然違うものだから。

そもそも「他人と自分を比較する」っていつごろから身につけたものなのだろう。
厄介な癖だよね。まだまだ自分は未熟者。