Tomoko Matsukawa 松川倫子

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仕事のアウトプットの質と量とインパクト

最近思うこと。仕事に対する姿勢みたいなもの。

質と量のバランス

効率UPを追求するのが大好きな人達と、効率を追求するアプローチを選ぶことで失われる何かに対して慎重になる傾向の強い人達。「定規」の端っこにそれぞれのタイプの人達がいるとしたら、私たちは皆その両極端の間のどこかに立っている。

「教育」の文脈で、「ソーシャルセクター」の文脈で、「スタートアップ」という文脈で、この「定規」のことをふと考える機会がたまにある。

限られたリソースで「量」を成し遂げることのできる「効率化」はありがたい。でも提供価値の質を妥協することはしたくない。その微妙な「質と量のバランス」の立ち位置は、教育セクター、ソーシャルセクター、またはスタートアップの世界に身を置く人達の間でも、それぞれ違うことが多いのが面白い。

ある人にとっての「バランス」の場所は、別の誰かにとっては「ちょっと『質』にこだわり過ぎている」のかもしれないし「ちょっと『量』を追い求め過ぎ」といったように。

「良いものを多く、広くに」は欲張り?

私はおそらく「どちらかというと『質』(こだわり派、選ぶとしたら大勢へのインパクトより少人数へのインパクト)に偏る傾向がある・・・・にもかかわらず、非効率・合理性が低いと周囲に思われるのも嫌という人間」。

最初の職場の先輩に「三時間かけて85%達成したのならば、追加一時間かけて90%にする合理性がどこにあるか考えるべき」と指摘された時。とにかく目の前のお客さんに100%応える(基準は120%)ことしか頭になかった自分はその考え方にハッとさせられたのを覚えている。

時間をかければ、少人数に集中すれば、アウトプットが高まるのは当たり前。そのプロセスにおける自己満足性も高いので、中毒性もあり自己正当化力も高い。でも本当に「良い仕事のできる人」っていうのは、より短時間で、より大勢に、質を落とさずにいかにインパクトを生み出すか、と最近思うようになってきた。いいものはやっぱり広げるべきだし、それを追求したい、そうジワジワと思うようになってきた。

そのためには闇雲に働いているだけじゃダメみたい。

目の前のことを85%で割り切って、残りのリソースを0%の段階にある別のものに投入するべきか、または85から90%にそれまでと同じやり方ではない、より効果的なアプローチを取り入れるのか、それとも二次的、三次的効果が質/量の面で返ってくることを期待して95%に同じように上げていくことを選ぶべきなのか・・・。自分の目指しているインパクトの最終形の在り方をイメージしながら、自分の時間の使い方/外部リソースの活用方法を見つめる時間も必要だ、と思ったり。

最近意識していること

具体的には目先の「やるべきこと」に闇雲に追いかけられるだけではなく、「重要だけれど急ぎでないもの」「重要で急ぎのもの」「そこまで重要でないけど急ぎのもの」「そこまで重要じゃないし、急ぎではないもの」を意識しながら「賢く」働くことを意識しようと始めてる。

自分がよく陥るパターンは自分のリソース配分を間違ったり、仕組み作りに頭を使う時間が不十分になり、後手に回り、就業時間を超えてしまうこと。「質第一、そして量」みたいに動くあまり、結局最後に「えいやっ」と数時間追加みたいな働き方になってしまったりするパターン。

でもこれでは短距離走はできたとしても、マラソンは走れない。

何より「良い取り組み」のsustainabilityとscalabilityに関心がある自分が、自分自身それが実現できないのは恥ずかしい。しかも、日々忙しくしている故に、何かを成し遂げているような誤解をしている危険がある。アクティブノンアクションのリスクだって孕んでいる。

だから、最近は、いつ自分の頭と手足をフルに使うべきで、どのような効率化の仕組みをどこに取り入れたらトータルで「質も量も最大化できるのか」ということを考える。初期投資を丁寧にやったほうが中長期でインパクトが大きいなら、そこのプロセスでは手を抜かない。でも、しばらくしたら手放すことのできるような仕組みづくりも意識する。

テクノロジーや、効率化の手段は人間が操ることのできるツールの一つ。それによって質OR量じゃなくて、質AND量にするにはどうしたらいいのだろう。「今」だけじゃなくて、中長期に渡るインパクトを意識したら自分は今何をするべきなのだろう。

正しいバランスの取り方なんで知らないし、楽に質も量も追求できる方法があるなら誰かに教えてもらいたい。でも、きっと一歩づつ試行錯誤しながら前に押して行くことしかない。考えようによっては、とてもクリエイティビティの発揮余地の大きなチャレンジだとも考えられる今の仕事。

明日は月曜、今週も頑張ろう。
そんな三連休の最後の夜。


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