Tomoko Matsukawa 松川倫子

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H1Bビザ取得後(Status of Change)に初めて米国外に出る時は

ようやく、NYに戻って来て1ヶ月弱。仕事面での遅れがほぼキャッチアップできて、「日常」が戻ってきました。定期的に運動をしたり、自炊をしたり、遠くにいる人達とスカイプしたり、NYに来ている人/住んでいる人と普通にディナーしたりランチしたり。

そういえば、今回の日本一時帰国中に大失敗を一つしてしまったので、ビザ絡みの話としてそれを書き記しておこうと思います。まさかの成田空港で出発当日に「米国入国時に必要なビザ不備」で実家にUターンした事件。Fビザ▷OPT▷Hビザ、のプロセスについては結構エントリ-で細かく書いていたのですが、Hビザが下りた後のまさかの落とし穴。ビザ絡みのことはうっかりミスは許されないのだな、と痛感した出来事でした。

何が起きたか - 成田空港からのUターン

「H1Bビザが下りた」という報告があったのが2014年5月頃。10月1日まではアメリカ国外に出れないというのを聞いていたのでしっかりそれを守り、12月11日に里帰りを兼ねて日本に一時帰国。アメリカへの戻りの切符は1月5日。H1Bビザステータスになっての初の米国出国。その間に韓国への出張を12月26日〜29日予定で入れていました。

「H1Bビザが下りた」という仲介弁護士からもらっていた資料の中には実は小さな字で「アメリカに戻ってくる際に必要なものは自国の領事館で確認するように」といった内容のことが書いてあったのですが、特に弁護士からの指示もなかったので東京にいる間にアメリカ大使館に行くことなどは予定に入れず、途中韓国出張もこなし、1月5日に私は成田空港に向かいました。当然そのまま飛行機に乗り、翌日からはNYで仕事を始めるんだと思いながら。

雇用証明書(オファーレター)やH1Bビザ許可レターなど必要と思われる資料をしっかり持ってチェックインカウンターへ。そこで問題発生。なぜならH1Bビザでアメリカ入国しようとしているのに、パスポート内にくっついていたビザはFビザのものだったから。それはそうです、米国での審査の途中にはパスポート本体を提出することは一度もなかったのだから。

「このビザはH1Bじゃないですね」とUnitedの人に言われても「そうですね、それはいつどこで誰が変えてくれるものなのですか?」状態の私。ようやくUnitedの人の説明でどうやら自分が一時帰国中に米国大使館で「ビザ申請(面接、パスポートを預け、それが郵便で返却されるまで7-10日近く待つ」というプロセスを踏んで置かなければなかったことを知る。

普段そんなに慌てることのない自分でも「え?でも数時間後の飛行機に乗らなきゃいけないんですけれど、今から米国大使館とか無理ですよ」と今思えば意味不明な事をUnitedのカウンター前で説明する私。混乱した頭のまま、とりあえず携帯から上司とチームにメールで「ビザの問題でしばらくまだ帰れないかも」と送信。

とりあえず空港にいてもしょうがないし、と、成田からリムジンバスでつい先ほどパッキングを終わらせたスーツケースを持ったまた再び都内に戻る。・・・・なんだか間抜けすぎるし、普段はパッキング▷空港▷機内爆睡なのに今日はそれができないからグッタリ。

数時間前にバイバイといった家族に再びこんにちは。

何が起きたか - 仕切り直しの色々

とりあえず一番はじめにやらなくてはいけなかったのはオンラインで米国大使館でのビザ取得面接予約の手続き。面接予約までに入力しなくてはいけないもの(DS-160という資料作成)が思った以上に面倒で、ようやく面接予約画面にいったときにはその同じ週の金曜の面接枠が運良く残っていて。あわてて予約完了。これが月曜だったらさらにNYに戻るのが遅れてしまうところだった。良かった・・

そして次はUnitedで飛行機変更の手続き。手数料$300。うっ・・・。面接の後パスポートが何日で戻ってくるか分からないからまずは席がどのくらい直前で埋まってしまうのかを確認しながら、おそらく大丈夫であろうという日にちにとりあえず変更。途中ビザの手続きで何か不具合があったらその便に乗れないリスクもあったので内心ドキドキでもあったのだけれど。二度目の手数料は払いたくなかったし。

結局NYに戻れたのは2週間弱も当初の予定から遅れての1月の17日。Happy New Yearどころでも、新年のご挨拶どころでない2015年の1月だった。

今回、自分がいたのが東京(&滞在先が実家)だったから良かったものの、これが別の国とかだったらと思ったらぞっとする。いくらお金が(延長滞在期間中の宿泊費)追加でかかったのだろうとか。米国大使館だってきっと他の国にある米国大使館に行くよりは日本の中にあるのに行く方が心理的にもよかったに違いない。


学んだこと

今回は私の組織が「米国内でFビザとして滞在していた人間が途中でH1Bビザに変更した」という経験がなかったことと、担当の弁護士の説明が不十分だったのと、私個人がしっかり確認してなかったことが重なって起きた事。

個人的に学んだことは以下の通り。

自国ではないところで生活しようとする場合、ビザは「自分が生きて行く上で必要な空気」だと思うこと。自分が窒息しないためにも「ビザ」確保は完全に自己責任

今回は「H1Bビザがあるから米国内で働ける状態である」と「そのビザで米国に入国することが許可されている」の違いに自分が鈍感であったことに起因。パスポートにあるビザ(の有効期限などの情報)とサポート材料資料内容が一致しているかきちんと確認することが必要

今後H1Bビザから別のビザにステータスが変更するようなことがあった場合は最初のアメリカ国外先は日本にしたほうがよさそう。そして日本の米国大使館での面接は事前に(むしろ日本に帰る前にアメリカ内でオンラインでできる)予約をし、パスポート上のビザ更新に必要な日数のゆとりを含んだ旅行プランを立てる

ブックマーク

  • 自分の最新のI-94(いつ入出国をしたか、どのビザステータスで米国にいるか)はU.S. Customs and Border Protectionのこちらから入手。念のため持っているといいかもしれない

  • 日本の米国大使館サイト。ここからDS-160という少し面倒な資料を作成/オンライン提出してから米国大使館(東京)での面接予約ができる

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