Tomoko Matsukawa 松川倫子

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2017年の振り返り(トップ10)

今回で五回目となる、前の年の振り返り投稿。2017年の分を出すのがこんなに遅くなるとは思わなかったのだけれども(今日は5月の半ば)Better late than never。年始にほぼ書き上げてた、下書きを仕上げることがようやくできました。

過去5年の間に、大学院留学、卒業、ニューヨークへ引越し、1年弱の非正社員生活、今の組織への転職・・と、色々あった自分ですが、2017年は「安定した基盤の上で新しいチャレンジを楽しむ」ことができた一年でありました。健康な身体と心身で一年を過ごせたということ、そして、家族や大切な人たちが元気で過ごせたことに、心から感謝です。

さて、トップ10。

10: ボルダリングデビュー

定期的に運動をするようになってから2年とちょっと。2017年はボルダリングに初めて挑戦しました。最も通っていた時は月に5回登るほど。自分でもびっくりするくらいの筋肉が背中・二の腕についていた時期もありました、笑。(年後半にはトーンダウン)

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ボルダリングにハマった2017年

自分の横で難易度の高いルートに挑戦している小さな子供達(5才くらいとか!)を見ながら、「ボルダリングって良い学びの場だなー」と教育オタクの私は思いました。(自分で勝手に思いついたボルダリングの効用: 他者との学び合いの機会、自分独自のスタイルを模索することを支援、粘り強さ・勇気を出すことの修行の場、失敗・再挑戦を前向きなものと捉えることのできる空気、など)

肘から先が無い人もひょいひょいと登っているのをよく目にしたり、途中仲良くなった10才の子から直接指導を受けたりしたのもいい思い出です。身長・年齢、スポーツ経験などを問わず多くの人が楽しめるスポーツで良いな、と思いました。

おまけ:ちょうどその頃、水彩画を習い始めたのですが、ボルダリングに負けてしまって現在水彩画の方は小休止です。

9: YLC参加、そしてGGFへの応募

親友の推薦のおかげでYLC (Young Leader Conference)(ウェブサイト) という2泊3日のカンファレンス@ボストンに参加することができました。これは毎年米国大使館とイタリア大使館が合同で実施しているもので、私は33期生という位置付けで参加しました。日本人は一人。毎年イタリアかアメリカの都市で集められた50人前後がとあるテーマについてディスカッションする形式。参加者の背景が多様なのがディスカッションが有意義なものになるかの鍵となるプログラム設計。

2017年のテーマは最近話題の “Future of Work”でAIやその他テクノロジーの台頭が国家・社会・ビジネス・個人に与える影響についてでした。普段関わっている人たち(ソーシャルインパクト、インパクト投資、起業家・ベンチャー)とは毛並みの違う人たちに囲まれるのは久しぶりで程よい刺激に満ちた数日でした。

おまけ:ちょうどその翌月、別の友人がGGFというフェローシップの応募を勧めてくれたのでその応募にも挑戦しました。YLCでの体験がなかったらそんなことは考えなかったので、そういう意味ではYLCと合わせて自分にとっては印象的な出来事でした。結局電話面接にも呼ばれなかったのですが、笑、応募プロセスで4年ぶりに職務履歴書を更新したり、推薦書の下書きを上司のために書いたり、志望動機のエッセイを書くために自分のことを棚卸ししたりと、とてもいい体験になりました。

おまけ2:ちなみにYLCの2018年のテーマはアイデンティティで、その事前課題をまとめるのを手伝いました(元にした+Acumenのコース"In the Name of Identity - How to hold difficult conversations about identity, race, and current issues"は誰でも無料でダウンロードできるので興味があれば。読書会ガイドみたいなものです)

8: 欧州旅行

ニューヨークでの生活コストは感覚として東京の2倍。でもNPOで働いている自分の収入はおそらく今東京で稼げるであろう金額の半分くらい。だから経済的にあまり遠いところへの旅行は頻繁にはできない・・。でも、2017年は思い切って欧州旅行(イタリアとスペイン・サンセバスチャン、ロンドン経由)に行った年でした。主催者の方(日本人、ブダペスト在住)の感性の鋭さとネットワークの広さ・深さと彼女のコーディネート力に惹かれて「えいやっ」と友人と参加。楽しかった。やはりこういうかけがいの無いものに投資をするって大事だな、と思いました。

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7: 長野県小布施町との出逢い

最初にこの町の名前を聞いたのはいつだっただろう。ボストン・ニューヨークに住んでいる間に聞くことが増えて、なんとなく興味を抱いていた長野県小布施 (オブセ)町。そんな人口1万人ちょっとの町を初めて訪れたのも2017年でした。

機会は同町で近年毎年開催されている「小布施若者会議」(リンク)。ほんの数日といった期間の間に、昔からの同志・新しい仲間・熱い想いを抱いている現地のリーダーたちと高密度な時間を過ごさせていただきました。そこでの体験は「日本国内の、東京でないところ」で起きていること、そこで活動している人たち、そこにある可能性に対する好奇心をかきたてるには十分なものでした。海外にいると痛感するのですが、東京育ちの自分は日本の理解があまりにも限定的で、今回の体験はrealizing what you don't knowの良いきっかけになったな、と思いました。

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小布施堂

6: 親友・同僚との(一時的な)別れ

トランプが大統領に就任して一年目の2017年。永住権をこの国で持っていない自分を含む在住者にとって就労ビザに関する彼の発言・決断は毎回ハラハラもの。自分が少し心配していた就労ビザの更新(3年目に次の3年目を更新するというタイミング)はありがたいことにスムーズに完了。にも関わらず、職場で隣に座っていた親友は私と同じビザに対する許可が政府から時間内に出なかったため、アメリカを出なくてはいけないというショックな展開に。

彼女は日本人とイタリア人のハーフで国籍はカナダ人。ビザが無理ですね、という弁護士からの通告から実家のカナダに転居するまでに与えられていた時間はたった2週間。ニューヨークで働いていた旦那さんとはその後3ヶ月の間遠距離となり、旦那さんは会社を辞め、中期的に二人でロンドンに引っ越すことに(カナダ人だと米国での就労ビザが比較的簡単)Acumenがロンドンにオフィスがあってよかった・・にしても、想定外のトランプ大統領の影響。

私と5歳離れた彼女は私にとっての「魂の浄化作用」的なパワーを持つ素敵な子。本当に大切な親友だったので、距離・時差なんてへっちゃらさ、と思いつつやはりちょっと悲しかったです。彼女は以下の投稿で登場するMです。

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5: 様々な角度から光を当てるから見えてくるもの

2017年にあった、印象的な体験・出来事たち。 物事は複雑で、自分がちょっとだけ分かったような気持ちになっても、実はもっと色々なレイヤーが存在するのだ、ということ、自分の捉え方は別の人の捉え方と違うということは(同じ事象を同時期に見ていたとしても)よくあるのだということ。そういうことを改めて意識させてくれたこと。

  • ポッドキャスト:Indivisiblia (米国での大統領選挙後に期間限定で提供された番組。国民の生声をライブで聴けるのが面白く、どの大統領候補者にどういう理由で投票したのか、を聞きながらアメリカ国民の多様性を学ぶことができるもの

  • ミュージカル:Kinky Boots(wikipedia)(2005年のコメディ映画を元にしたもの、2012年が初演、映画の元は実話がもとになっている、LGBTテーマ)

  • 日本のオンラインメディアUMUが主催したオンラインサロン(開催後のUMUによるFacebook投稿はこちら、テーマは不妊、産む、産まないという多様な選択肢について)

  • Acumenの#SeePeopleキャンペーン (Facebookはこちら)経済的に苦しい状況にいる人たち(一般的に「貧困層」とまとめられる時もある)を一人一人の人間としてどう捉えるかと言うことを提起したキャンペーン

  • CarnegieHallでのコンサート:The Journey to America: From Repression to Freedom(リンク)19世紀後半からヨーロッパからの移民が通過したエリス島(NYにある、正式には今はニュージャージー州内)とそこに当時到着した移民達の声がテーマ。移民に対して不寛容な現大統領下での、このようなコンサートはニューヨークらしいな、と

関連エントリー:白でもなく黒でもなく

関連エントリー:インタビュー記事・様々な生き様と選択肢

4: 「シンクロニシティ」と「U理論」

2017年は、グロービス在籍時代に購入し、以降数年も積ん読していた二冊の本が輝いてくれた年でした。AcumenのFellows Programのデザインをするようになったタイミングと、これらの本に手を伸ばしたタイミングが重なったという奇跡。また「シンクロニシティ」はあまりにもAcumenの創業者のジャクリーンが言っている事と重なるので本人に聞いて見たら、著書は彼女のメンター的な存在の人と同じコミュニティにいた師のような存在の人とのこと。どうりで・・。

  • シンクロニシティ未来を作るリーダーシップ(英治出版

  • U理論 - 過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術(英治出版

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シンクロニシティは2010年に初めて「リーダーシップの旅 見えないものを見る」野田 智義 (著), 金井 壽宏 (著)に出会った時以来のビビビッでした同じ頃、World in TohokuのみおさんがFacebookでU理論のオンラインコース(リンク)を一緒に受講する人を募集していたので、エイっと返事してみたら、彼女の元に集まった4人の同志の一人は15年前にお世話になった恩人だったというサプライズ(大学3年生の時の私をニューヨークでインターンとして採用してくれていた恩人)も。なんだか、自分の目には見えない「不思議な流れ」というものを感じさせられる一連の出来事でした。

3: チーム異動

上記にも書いたように、2017年の半ばにチームを異動しました。すでに異動先となったチームとは年前半に一緒に働いていたので違和感はなかったものの、 ゴールドマン時代に「株式調査部」から「株式営業部」にシフトした時をふと思い出すような転換でした。

自分がキャリアの軸としている「カリキュラムデザイン・大人の学びのデザイン」は変わらずとも、結構大きなシフトがありました。具体的には:

  • 自分がデザインする「大人の学びコンテンツ」(詳細)が自分の興味のあるトピックに集中するようになったということ(self transformation系のコンテンツ、100%オンラインではなく、20人がリアルで集まった際の体験のデザイン+それを補完する位置付けのオンラインラーニングデザイン) 

  • 所属チームの仲間という位置付けのメンバーの拠点が(NY-SF-London)ではなく(NY-Nairobi, Kenya-Mumbai, India, Karachi-Pakistan)になったということ。もちろん時差などの影響も受ける上に、働き方というカルチャー面でもやや調整が必要とな

  • チーム内での自分の立ち位置も、かつての「リードプロダクトデザイナー」的なものから、自分のいるニューヨークから離れた3つの各国拠点で、現地にいる同僚たちがデリバリーするプロダクトの質を高めるためにチームを「サーバントリーダー的な立場でかつカリキュラムデザインの専門性を提供する人」になったということ 

  • また上司には、今までいたチームからの学びを異動先のチームにも持ってきてほしいといわれたり、3つの地域としてバラバラに活動していたチームを一つのチームにしていく過程に求められるメンバーの能力開発といったことを考えることが増えたということ

総じて、新しいチャレンジにとてもワクワクした年後半でした。Coachingスキル研修の参加やファシリテーションのトレーニングも勉強になりました。

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2: Acumen Global Gatheringのデザインとデリバリー

社会人生活12年の間で一番大変であった&やりがいがあったであろう大きな1週間プロジェクトinケニアがあったのも2017年でした。ここで書ききれないので、代わりに動画を。

設立16年目にして組織としても初の取り組みだったGlobal Gathering、歴代私たちのプログラムを卒業していったフェローたち400人前後の集合ギャザリング。本当に本当に設計側・運営側としては大変だったけれどど、この体験がチームの団結力を強めることになったのと、組織全体として「こういう世界ができるのかもしれない」という確信を持つきっかけになったのと、私個人としてはチーム移動につながる体験でもあった一大イベントでありました。

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1: 「ホームベース」の安定

そして、2017年は自分のパートナーが本人の目指しているキャリアの出発点となる仕事に就くことができたという点でも重要な年でした。前の業界を30前後で離れ、借金をしながらデザインスクールに行き、半年以上の職探し&スタートアップでの無償インターンで模索をしていた彼は2016年の後半から2017年の前半まで本当に大変そうだったけれど、今幸せそうで本当に嬉しい。二人が共に、それぞれ毎日ワクワクする作業を、気持ちよく働くことのできる同僚・上司に囲まれてできることが、何よりもありがたいし幸せなことだと二人でよく話すようになりました。そういう日々の安定があるからこそ、それぞれの課外活動にもエネルギーを向けられるし、お互いに対しても、他者に対してもそれぞれが優しい心でいる事ができ、継続的な成長を支えあえることができる・・。

ちょうど今日(2018年5月)社内で共有されてきた以下の内容がちょうど、自分がここに描こうとしていたことと似たメッセージだったので、代わりにそれをここに転載して2017年の振り返りを終えようと思います。

“ 'Life is a manifestation of where we invest our energy. As soon as we control where our awareness goes, we control where our energy flows. As soon as we control where our energy is flowing, we control what is manifesting in our lives. And meditation is the art and science of directing awareness.' 

We start each day with a finite amount of energy and so we have to choose where to invest that energy. We live our lives for a finite amount of time during which, as we grow older, the people, things and unresolved emotional experiences that draw on our energy increase while our energy decreases. 

The key to navigating a world that has an ever multiplying array of “energy consumers” is then to define a purpose (using guiding principles), develop focus (by constant practice of concentration on a task), simplify life and sacrifice (identify the non-negotiables and attend to them)." - Acumen同僚 L.R.より

ちなみにこれまでの年はこんな感じでした。もう2018年も4.5ヶ月が終わってしまっていますが、今年も振り返りするのが楽しみです。