Tomoko Matsukawa 松川倫子

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仲間二人とポッドキャストを始めてみて学んだ10のこと

二カ月ちょっと前に、東京に住んでいる仲間と三人でedamame talkというポッドキャスト(★)をはじめました。

(★)ポッドキャストを知らない人向けに書くと、「自分の小さなラジオ番組を始めた」という感じです。ポッドキャストはインターネットを通じて配信されるラジオみたいなもので、webでもアプリでも、誰もがいつでも聞ける音声番組。  

大半は事前に収録されたものなので、ユーザー側の体験だけでみるとテレビ:netflix/hulu=ラジオ:podcastという感じでしょうか。制作&配信するハードルが近年非常に低くなっているのでスマホ一本で誰でも番組を作れちゃうところも(アメリカでの)市場拡大の背景にあったりします。そういう意味ではYouTubeの音声版と思っていただいてもいいかもしれません。

そんな私たちの素人ポッドキャスト番組ですが、今年の7月に最初のエピソードを公開することができました。私たち三人のうち誰もがこんなことをすることになるとは思っていなかった半年前から今時点に至るまで、そこで個人的に学んだことをここに記録しておきます。

結果として良かった5つのこと

その1:「何をするか」より、「誰と」&「なぜ」が出発点

もともとお互いのことをある程度知っているという程度の仲だった三人。ポッドキャストはもちろん、一緒に何かすることになるとは年初の時点では誰一人として思っていなかったはず。三人だけでゆっくり話したのも今年の1月が初。

二人に(それぞれ)会いたいな、あと、そういえば紫乃さんの昼スナックにも行きたいな。そうだ、紫乃さんのお店で三人でいっぺんに会っちゃうっていうのはどうだろう、確か皆顔見知りではあるだろうし、社交的なメンバーだからどうにかなるだろう。一石三鳥。・・・と企んだ一時帰国。

そこから自分たちの心が楽しむままに重ねたオンラインビデオ会議。回を重ねるごとに「edamame長女」のさおりさんが「このメンバーで何かやりたいよね」と繰り返していたのが印象に残っています。さすがリアル起業家ですね。

最終的には三人が皆似たような課題意識を持っていることも浮き彫りになり、何かを一緒に世に生み出してみようか、という話になりました。私たちのそんな想いはwebsiteのmissionのところに書いています。

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https://www.edamametalk.com/why-we-care

その2:誰のために、私たちのワクワクはどこ?を踏まえてプロダクトを決定

三人でビデオ会議の議事録+事後情報シェアをするために始めたgoogle doc。それが回を重ねることに長くなり、挿入リンクだらけになり、三人それぞれの得意分野の重なりと補完関係が見える化されるようになりました。

3人ともが同じくらい、新しい発見を得る・シェアするのが大好き、その過程で新しい気づきを得てそれをシェアする・・・・そんな無限のループがとことん好きな変わりものの三人だということが明らかになってきます。それぞれアラサーアラフォー女性の生き方のサンプル数もいっぱい触れてきたというのも、掛け算したら結構すごいんじゃないのか、という話になりました。(実際三人の間でお互いから学び合う部分がとても多いのです)

私たちが個別でほかの(忙しい)日本人女性の仲間に話していることを同じような感じでより多くの人に伝えるとしたら?そんな流れで「自分たちのおしゃべり内容&自分たちの気づき発信」→ 音声・文章の両方で発信することを決めました。

アラサーアラフォー世代はとにかく色々忙しい。そんな中、通勤途中でも食器を洗っている時でも、ジョギング中でも興味がある人に届くかも、ということで音声メディアであるポッドキャスト補足メモでnote(ノート)https://note.mu/edamamenoteの組み合わせ発信をすることに決めました。

その3:名前とそれが表わすものにこだわった

edamame talkという3人全員が好きなこの名前に落ち着くまで、時差を超えて数日?数週間をかけて名前決めのディスカッションをしました。その途中にはメンバー間(ときにはそれぞれのパートナーに意見を聞いてみたりして)で合計100に近い案が提案されては却下されていきました。

「そもそもなぜ発信をしたいんだっけ」とか「どういうことを発信していくんだっけ?」を何度も行ったり来たりしながら、3人全員がしっくりくるところにくるまでとことんアイディア出し&検討に時間をかけました。

語呂も覚えやすく、ドメインもavailableで、日本語圏でも英語圏でも違和感がなく、自分たち&ありたいイメージの両方をある程度表すのに適している、自分たちにとって大事なプロジェクト名edamame talk(エダマメトーク)。

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時間をかけて納得するまでとことん話し合えてよかったな、と感じます。デザインは私のニューヨーク時代の友達のしみまゆに作ってもらいました(ありがとう!)

その4: 2ではなく3人という運営チーム

ディスカッションがただただ流れてしまう非効率的なメッセンジャーからコラボレーションにより適したSlackに移動してから改めて気づいたこと。それは三人チームであることの粘り強さ・生産性の高さ。二人だとボールを一人が投げたら必ずもう一人打ち返さない流れが止まってしまうリスクに常に晒されているのに比べ、三人はそこの負担分散がここちよい。

三人のうちの一人が諸事情でコミット量が少し低めにならざるを得ない日・数日があったとしても他の動ける二人がカバーできる。そうすることでプロジェクトの流れを止めずに前に向き続けることができる、三人体制(かつ時差を味方にすることで生産性も高い)は結構いいな、と感じました。

その5:責任の明確化・見える化を早めに始めた

と同時に、三人の中で責任の所在が曖昧になって負荷の偏りがunsustainableにならないように、ということも早めの段階でオープンに話し合いました。まずは、担当分野を定義づけしてみたり、それぞれのタスクの難易度を言語化したり、必要投資時間はそれぞれどのくらいか、そういうことを話し合ったり、Slackで見える化したり、締め切りやto doの内容を具体的にしたり・・・

人生においてプロジェクトをそれぞれが5個くらい同時にジャグリングしているような三人組だからこそ、こういうの大事だなと感じます。このプロジェクトの優先順位が下がってフェードアウトにならないように・・・と試行錯誤を重ねながらようやく今の状況にやってきました。まだまだ「ありたい姿」に対しては程遠い場所ですが、何もなかった3ヶ月前からここまで(今は10エピソード収録完了)これたのは、こういう仕組みデザインを早めに導入したのがあるのかな、と感じます。

続ける上で大事な5つのこと

その1:必要なスキルは責任持って自己学習

今の状態になるまでチーム全体として、いくつもの新しいツールを試してきました。誰もが音声メディア未体験。ウェブサイトをsquarespaceで作り、anchorアプリで番組の収録をし、garagebandで音源編集し、soundcloudに音源アップロードして、メルマガを配信したり・・。apple podcastに認証申請したり、なぜかそれが通らず解決策を探しにgoogleをさまよったり(現在進行中)。

皆時間が限られた中とりあえず100%でなくてもいいからできることを、とそれぞれ頑張っています。もっともっと専門家に教えてもらわなきゃいけない部分がいっぱい残っていますが、短期的完璧さよりも長期的継続性。「完璧であることを手放して、できることを今できるだけやる」を意識しながら、必要なことはその場その場でクイックに学びながら進んできています。

答えが存在するかなんて知らないけれど、手を伸ばしてみたら、手を動かしてみたら、なんとかできるように色々な情報やツールが周りに転がっている。そんなことを実感しています。

その2:柔軟であること

「短期的完璧さよりも長期的継続性を意識」に繋がる話ですが、私たちはそれぞれ三人皆の人生・他に抱えているそれぞれの責任・優先事項がedamametalkの他にあるということを常に忘れないようにしています。計画をたて、責任を明確に分けて、プロジェクトマネージメントをするのは大事。でも、人生色々予期せぬことがある。体調が悪くなることもある。家族との時間を優先しなくてはならない状況に急になることもある。3人の間でそれを皆で吸収できる柔軟性があるのはすごく心地いいなと思います。

録音中に宅配便が届いてピンポンが音源に入っちゃったら、まあそれはそれでいいんじゃないか、という余白のある運営の仕方、長期視点を持つってことを忘れないようにしたいな、と思っています。

その3:Generous but accountable(理解のある仲間・でもプロフェッショナルな関係の仲間)

柔軟でいる・お互い理解のある仲間である、というのは心地良いのですが、それをバランスするプロフェッショナリズムも重要だと思うのです。これは自分が仕事でボランティアたちをまとめる立場でいたときに学んだことですが、「できる」ボランティア達はプロフェッショナルファームの社員並みに自律性を持って仕事をこなす。時間の有限さもアウトプットの質の高さの重要性も理解していてちゃんと仕事をする。

仲間としてつながりあっているのは最終的には一緒に何かを成し遂げたいことの方向性が一緒だから。だったら、そのそれぞれが持ったエネルギーを少しでも無駄にしないような(柔軟、でもフォーカスするときはきちっとアウトプットを皆が出せる環境)環境づくりって大事だな、と。

その4:楽しむこと、celebrateすること

これは最初から三人で言っていたこと。別に誰かに頼まれてやっているわけでも、金銭的報酬があるわけでもないこのプロジェクト、楽しまないと意味がない。ピックアップするネタを決めたり、台本を書いたり、時差を超えた収録を定期的にしたり、録音後の数時間に渡る作業。地味な部分もいっぱいあるedamame talkプロジェクト。でも、三人でslack上でやりとりをしたり、録音前の準備や録音中のおしゃべりはやっぱり楽しい。それがあるから続けられている。

特に最近は「聞いたよ!」というフィードバックやメッセージを個別にもらうことも増えてきて、その度に三人でシェアし合ってcelebrateしています。こういう小さな喜びの軌跡も重要なポイントだな、と。

その5:顔の見えるマーケティング侮れず

自分たちがそこまでマーケティングのキャパシティが今ない、ということもありますが、思った以上に自分たちの知り合い、またはこのプロジェクトについて話すきっかけがあった場を通じてのedamame talkの宣伝が効果的だな、というのも感じています。正直今の三人のキャパだとやりたいソーシャルメディアとかメルマガとかは全然実行できていないのが現実。でも限られた機会で直接人に伝えたことがきっかけで番組を聴き始めてくださっている方が結構いるということも日々学んでいます。誰かが(しかももしかすると自分の知っている人が)聞いてくれているというのはやはり嬉しいものです。

以上が学んだ10のこと。

こうやってみると、日々仕事で繰り返している「起業家を支援するとは」「起業家精神を育てるとは」に登場するテーマと似ているな、と思わされます。

実際に本業で起業していて、多大な責任とリスクを背負っている方々に自分たちの趣味プロジェクトを比べるのは大変恐縮である・・とは思いつつ、なぜ社会のある一定数の人たちが「起業家的な人生」を送るのか、起業家という生き方を選ぶのか、またはそういう道を途中で離れて休むのか、または、そういう道から遠い場所でキャリアを積んできた人たちがなんらかのきっかけで起業家に切り替わるのか、そんなことへの妄想が膨らむきっかけになった経験でした、このポッドキャストの立ち上げは。

立ち上げより続けるほうが全然大変なのですが、かけがえのない仲間二人とライフワークとして続けていければな、と思っています。

そんなポッドキャスト番組に興味のある方はこちらから:

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