Tomoko Matsukawa 松川倫子

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2023年の振り返り(トップ10)

ポッドキャストの年末エピソードの収録に向けて、一年を振り返る機会があった。それもあって、今回は例年とは違って1月というタイミングで「一年の振り返りエントリー」を書くことができている。

2023年は久しぶりに「大きなイベント」がなかった、穏やかな一年だった。という印象で振り返りを始めたものの、まあまあ、色々なことがあった1年だった。アラフォー人生というのは皆そういうものなのかもしれない。

2020年-2022年は以下のような年だった。

そんな自分にとっての2023年は、少しペースを落とし、自分自身の「足元」と「コアな部分」に意識を向けた年だった。2024年に再び日々が「VUCAフェーズ」に入っていくのを想定していたこともあるけれど、その前の年の過ごし方としては悪くなかったのではないか、と思っている。

10. 大学院生活

8月から始まった久しぶりの大学院生活。フルタイムプログラムであったハーバード教育学大学院時代に投資したエネルギー量が「100」だとすると、今のプログラムは「15」くらいの力でこなしている・・・という感覚でいたのだけれど、実際は20くらいは使っていたかも、というのがGoogle Calendarを振り返りながらの感想。

ちなみに「15」といっているのは、この大学院生活が手抜きでOKというわけではなくて、①プログラムの対象者がフルタイムで働いている人を対象にしている、②今までの仕事での経験などから自分にある程度土地勘があるトピックが多い、③子育てしながらの社会人学生生活、という背景がある。

そんな大学院生活。2023年に必須履修科目として受けたのは以下のとおり。

  • Managerial Statistics

  • Employment Law: A Managerial Perspective

  • Labor Relations: Perspectives

  • Learning, Develpment and Coaching

  • Communication Skills for Executives

  • Management of Compensation

  • HR Metrics and People Analytics

どのクラスもそれぞれ違う気づきや面白さがある内容だったのだけれど、自分が想像以上に面白いと思ったのは労使に関わる授業と(スタバやアマゾンでのストやGigEconomyの台頭という現代に起きていることの理解が深まった)と、労働法に関わる授業(60年前くらい前からこの国で色々な形で取り組まれている”ダイバーシティ・インクルージョン”の動きの全体感や法制面での変遷に対する理解が深まった)あと、HR系の職種にいる同級生が皆定量系の授業で苦しんでいた(アレルギー反応)のはなかなか印象的だった。

過去エントリー:今通っている大学院のプログラム(もうすぐ折り返し地点)

9. 本格的に転職活動スタート

自分が最後に転職活動をしたのはゴールドマンをやめてグロービスと出会った2010年。そのあとの転機は全て人とのご縁・出会いの延長上に生まれたもので、Job Descriptionが存在していなかったところに入っていったものばかり(QuipperもAcumenもCoachEdも)。

とはいえさすがに、2024年は「募集要項を読んで、自分の履歴書や志望動機書を送って・・」といった転職活動をしなければいけない。リハビリが必要・・2023年は転職活動に向けた準備を始めた。

2月に久しぶりにしたOG訪問的な体験。出産後初となるヒール、何年も着ていないスーツパンツを履き、マンハッタンのミッドタウンにある大きなビルの中にあるオフィスの一室に行ってきた。鞄も靴も古すぎてくすんでいたし、ベルトは見つからずサイズも合ってなかったけれど、その体験は錆びついていた自分のエンジンを動き出すきっかけになった。

合計2023年は26のポジションに応募した。履歴書などをカスタマイズするときに活躍してくれるChatGPTがある時代で本当よかったし(それについてはまた別のエントリーで)、こんなに将来の予定が未定・白紙という体験もこれからの人生でそんなにないのでは、と思うので、望んで得た状況ではないのだけれど、それを受容するしか選択肢がない状態でもあるので、それだったらこの探索の時期をできるだけ大切にしたいと思う。

短期または長期での、米国での就労機会、模索中。

8. 日々の子供のプレイデート

アメリカの学期の始まりは9月。うちの子は9月から3Kという「その年3歳になる子がいくプログラム」に行き始めた。ニューヨークではそれが始まる前が子育てをする上で一番お金がかかる時期とも言われているくらい「公立の助成金がもらえる3K以降は家計の経済的負担がかなり軽くなる」仕組みになっている(厳密にはそうでない、笑。3歳以上も普通に色々お金がかかる)。

私がフルタイムで働いているわけでもないし、デイケアの月謝がびっくりするくらい高額なので、2023年6月末までは朝8時半から11時半の間だけ預けていた私たち。毎日あっという間にお迎えの時間になって、ほとんど自分のことは何もできない日々だったけれど、その分同じような境遇のパパ・ママ・ベビーシッターさんと関わる機会がいっぱいあった日々だった。

家事・学業・仕事でやるべきことが山積みになっていても、11時半以降はどう頑張っても集中する時間は取れない。だったら、いっそ、その環境下で自分も子供も楽しい時間を過ごすには、というマインドで、毎日その日の天候と子供たちの体調という変数に耳を傾けながら過ごすことが日課になった。

そんな似たような特殊な環境を共有する仲間同士として関係が深まった同世代のパパ・ママ友人。2歳から「親友」と呼べる仲間数人と近所で「PLAY TIME」に全力投球できた子供も楽しく過ごせたのでは、と思っている。

関連エピソード🎧:#042 - まなびの「ゆく年くる年」2023 - 普段大人の学びに関わっている二人が子供に関わる時間を過ごす時に感じていること・得ていること、などを話している回

2023年の9月以降は3時半まで預かってもらえるような仕組みになっていて、子供たち同士の時間も前よりは減ったけれど、PLAYTIME仲間やパパ・ママ友人が増えてきた。同じコミュニティに2024年もずっとい続けられるといいのだけれど、それは私の転職活動次第・・。

7. Playful Ants 🐜

2023年の年初に、昔からの知り合いの唐川さん(やすさん)からのお声がけでPlayful Antsというグループにお誘いいただいた。一体何の集まりで、どういう人がいるかは一言で説明できないのだけれど、やすさんの出された著書「THE PLAYFUL ANTS - 社会を小さく楽しく変える越境型人材『うろうろアリ』の生き方・働き方」(Amazon)のタイトルから少し連想してもらえれば、と思う。

やすさんの独断と偏見で(笑)集められた8人くらいのメンバーと自分は皆初対面だったし、そのメンバーを繋げ続ける明確な目的があるわけでもない不思議な集まりになっているのだけれど、そんな彼らとの定期的な関わりが印象に残っている。そんなきっかけをくれたやすさんには心から感謝している。

やすさんとはAcumen時代に一緒に社会起業家向けのオンラインコースを創るというプロジェクトを一緒にした仲。公私共に彼の生き方を自分はとても尊敬していて、「『うろうろアリを会社と社会で育成する』ことを目的とする『うろうろアリインキュベーター』」というプロフィールはぴったりだと思っている。

自分は2017年の冬に「人間関係の水やり」というブログで、別の方が紹介されていた「様々な人間関係を整理するための2x2のマトリックス」について書いていたことがあるのだけれど、まさにこのPlayful Antsの仲間たちというのは「心理的な距離が近い」x「集団仲間としての関係性」(マトリックスでの②)に存在している方々なのかもしれない。

過去エントリー:人間関係への水やり

ちなみに2023年はマトリックス上、Playful Antsと似た場所に存在している「クリエイティブラウンジ」の仲間と軽井沢で大集合同窓会をした年でもある。オランダ・米国・秋田・東京・長野在住メンバーとその家族で集まった。そういうこともあって、かつ、自分が転職活動をし始めたというのもあるけれど、やはり人とのつながり・ご縁というものは何にも変え難い財産だな、と改めて思う年でもあった。

6. メンテナンス

2023年は年始に自分の身体の調子や実年齢を振り返る機会があったため、2022年末から再開した運動や、2022年後半から再開させていた鍼の定期メンテをきちんと継続することをできる限り優先した一年だった。

過去エントリー:40歳で再開できたワークアウトの習慣

過去エントリー:鍼と漢方とアトピーinニューヨーク

食生活の面においても、2022年にニューヨークに戻ってから粛々と続けている「長岡式酵素玄米」を食べる生活をつづけることができていて、あと残りの「取り組みたいけれどできていないこと」は睡眠習慣を改善することくらい。

年始に書いた2023年の抱負のエントリーでは35歳の時の筋肉量に戻したい、と書いてあったけれど、さすがにそれは結構道のりが長いことも再確認できた。2023年通年で49回Barreクラスに行ったことを自己承認しつつ、自分より3つ年下で急に近年運動に目覚めたパートナーに負けないように自分もしっかり鍛え直しを続けていきたい。やっぱりBarreは楽しいし。楽しい、大事。

5. ブログをSquarespaceに移行

正直いつのタイミングで移行したかはあまり覚えていないのだけれど、2012年からブログのホストとして使っていたGoogleのBloggerを卒業した。最初のポッドキャストのエダマメトークのWebサイトでSquarespaceを使っていたため、その経験が役立った。

まだまだ使いこなせていないのだけれど、少しづつ工事をしていくのが楽しみになるツールでSquarespaceのチームに感謝をしている。

年の後半にひっそり追加したブログの自己紹介Aboutのページにはブログとポッドキャストの最新投稿が載るようなWidget使いもしてみたり。将来的にはTagやCategoryといった機能ももう少し使いこなしたいと思っている。

4. 真夏の日本に一時帰国

2022年の一時帰国に比べてビザ周りのソワソワ事件はなかったものの、とにかく暑かった。3週間の一時帰国では、実家の引越し先の近所に少しづつ慣れていったり、家族で徳島に旅行にいったり、弾丸の一泊で軽井沢に3歳児の息子と二人でいったり、人間ドックに子の歯科検診と・・あっという間に月日が流れていった。

子供の夏休みと私の夏休みが重なって、こんな時間を持てるのも人生でそんなにないだろうな、と。勇気を出して自分のカレンダーから予定をクリアにして取捨選択してよかったと感じる3週間だった

そういえば2020年から避け続けていたのコロナに自分がとうとう罹患するというハプニングもあった。家族に移らなかったのが不幸中の幸いだけれども、久々の再会といった貴重な日本滞在中の予定を軒並みキャンセルしなくてはいけなくなったのは残念だった。母と私と息子で過ごす時間がその分増えて、それはそれで毎日楽しかった。余白大事。

ちなみに徳島は母と二人で行った時以降の今回は2回目で。両親と叔父さん的な家族の仲良しと私と息子。日本の外で生活することが長くなると、一時帰国のたびに東京ではないところに家族で旅行にいくのが恒例となりつつある。いつかそういったことについても書き記しておきたい。四国の山道の木々の力強さや頂上近くの場所から見下ろす風景の神々しさが今も脳裏に蘇る。

3. ポッドキャスト「まなびのはなし」

2023年は自分にとって二つ目となるポッドキャストを始めた年だった。年始は想像もしていなかった展開だったけれど、定期的なリフレクションと創造性を体験できる、自分にとってビタミン剤と漢方薬が混ざったもののようなプロジェクトになっている。

私たちについてはエピソード「#001 - 自己紹介」

私たちの捉える「まなび」とは、についてはエピソード「#004 - 「まなび」とは」

大人の学びって子供を対象にした時と何が違うの、についてはエピソード「#014 - 大人の学びの科学 - andragogy - について」

#030 -「まなびのはなし」からの学びのエピソードでは、このプロジェクトがどういう存在になっているか・どういうことを感じているか、なども話している。

2. 直感に任せて

ここまでが相当長くなってしまったので、残りは軽く。

私はもともと自分を取り巻く環境であったり、時間を一緒に過ごす人たちの影響を受けやすい。そんな自分が「正社員として働かない」という、かなり自由な枠組みを手に入れてしまったものだから、色々な意思決定は自分の直感を頼るしかなくなってしまった。

このプロジェクトを引き受ける?引き受けない?

どのくらい時間をかけてやる?

今日の貴重な隙間時間はどう過ごす?

どういう発信・インプットを自分に取り入れる?

などなど、マイクロ意思決定の連続の日々。そんな中「直感や感覚で行動する、が先にあって、ロジック・ストーリーは後にきた」というものが2023年は二つあった。

一つはikuraというプロジェクトへの関わり。テーマは日本へのインバウンド旅行。そして、もう一つはUpbuildのプログラムへの参加。こっちはコーチングがテーマ。

まだ自分の中で整理できていない、現在進行形の体験なので機会があったらブログにそれぞれ個別でまとめていきたい。

過去エントリー:セラピーなのか、コーチングなのか

1. Wedding Ceremony

そして最後のカテゴリーは、これもある種直感に任せた系のものではあるのだけれど、長年一緒に過ごしている彼と改めて結婚式を挙げたというもの。

出会ってから8年、一緒に住み始めて5年。経済的な理由と時間というリソース、まずは子供という二人の希望(&私の年齢)も含め結婚式をするタイミングがなかった我々。その後コロナもあり、子供が生まれたら生まれたで結婚式なんて改めて企画する体力気力も経済力もゆとりが出るわけもなく・・・全部が揃うタイミングなんてないんだ、ということを感じた。

想定していなかった形で自分は学費がかかる学生生活だし、稼ぎもないし、インフレ円安下で、数年前より可処分所得も減っている。年始のタイミングでは2023年に結婚式をする可能性なんてこれっぽちも考えていなかった。でも2024年はそもそも家族で一緒に生活できるのか、どこの都市に住んでいるのか、わからないことだらけ。それだったら、できる時にしちゃおうか?ということで日本への一時帰国から戻ってきた足で会場探しに出かけ、3ヶ月の結婚式プロジェクトがキックオフした。

家族・友人たちのサポートのおかげで最高の思い出となった結婚式。双方の両親の参加はもちろん、親戚やニューヨークにいる友人たちに囲まれながら・・参加者の20人近くが6歳以下だったのも体験をデザインする側として適度にチャレンジで楽しかった。3歳の子供にとっても一生の想い出ができたことは間違いなくて、すでに2ヶ月経った今のタイミングでも子供はその時の体験について話したり、テーマソングなどを歌っていたりする。

人には色々な意思決定の仕方があると思うけれど、私は同棲も出産(に向けた妊活)も結婚(という周囲への公式なご挨拶)も最終的にはパートナーと自分で話し合って「今かもね、そうしよう」っていう、先もあまり考えず、流れで決めたタイプ。いつか子供が大きくなってわかるようになったら「ママはこんな感じで大事なことを決めたんだよー、あまり心配しなくて大丈夫だよ、自分を信じて」と共有したい。

厳密にいうと「自分」というよりは「自分を取り巻く大きな力・流れ」かもしれないのだけど。

過去エントリー:一命二運三風水,四積陰德五讀書

さて、2024年はどういう年になるかな。