毎年恒例のイベントが無数とある街、ニューヨーク市。そのうちの一つのNYCxDESIGNは今月です。NYCxDESIGNとは:
"NYCxDESIGN, New York City’s annual celebration of design, attracts hundreds of thousands of attendees and designers from across the globe. Taking place each May, the event celebrates a world of design and showcases over a dozen design disciplines through exhibitions, installations, trade shows, panels, product launches, open studios, and more. And, like design itself, NYCxDESIGN is everywhere, with events taking place across the city’s five boroughs. - https://www.nycxdesign.com/overview/
恥ずかしながら今年までそんなことがこの街で起きていたなんて知らなかったのですが、今年なんとかキャッチアップ。
https://www.nycxdesign.com/
https://www.nycxdesign.com

NYCxDESIGNの多くのイベントは平日日中だったり、デザインという大きなテーマの中にも幅広いジャンルのものが含まれているので、おそらく参加者の数だけNYCxDESIGNへの参加方法がある印象。

公共政策のツールとして

面白いのがこの取り組みを牽引しているのがNew York City Economic Development Corporation (NYCEDC)という非営利団体であるということ。この非営利団体の27人の理事の構成を見ていると:
・7人はニューヨーク知事によって直接指名
・10人は自治体リーダーたちに推薦されたメンバー(ニューヨーク知事が承認)
・10人は知事が認めたリストから理事代表が選んだメンバー、
というから、公共政策色たっぷり。(https://www.nycedc.com/about-nycedc)ニューヨーク市の気合いが伝わって来ます。

本当はIDEOとSYPartnersの「How to Design the Future」に行きたかったのだけれど、あっという間に満席だったのと平日の朝の8-10時だったのでそれは断念。代わりに、ちょっぴり自分の興味範囲からの距離は長くなってしまったけれど、同日の夜にあったR/GAで起きていたトークに行ってきました。

スピーカーはR/GA(デザイン会社)のCEOで創業者であるBob Greenbert(70才バリバリ現役!)、Squarespace(Websiteメーカー、Podcastとか聞いているとよくCMが入っている)のCMOであるKinjil Mathur、そしてEquinox(マンハッタンの街内にある高級スポーツクラブ)のCMO Vimla Gupt。

参加したトークイベントの一つ

R/GAのような業界トップの組織でも「過去2年の間に自分たちを取り巻く環境は大きく変わった(deconstruction began)、いかに時代の流れ・消費者たちにとって自分たちがrelevantでい続けられるかが鍵」「If you don't transform, others will do that for you and to you」と言っていたのが印象的でした。

時代の流れの象徴として全員が「ソーシャル、デジタル、モバイル」(ここでのソーシャルは社会的インパクトのソーシャルではなく他者との繋がりの文脈のソーシャル)「Global collaboration (especially with video conference capability)」「Power to the independent workforce」をあげていたのは驚くことではなかったものの、想定外にsocial impact, infusion of culture, responsibility to drive social change, bringing whole self to work, empathetic marketing, design your life, technology enables innovation in places such as educationという普段自分が意識している世界のキーワードが出てきたのを聞けたのは良かったな、と。

"Design is not luxury anymore, it has become the expectation"という言葉や、上記の時代の流れを含めリアルの場が提供するものの可能性やリアルの場作りに関わる人たちに求められる能力といったところも自分のオフィスデザイン学科時代のことや、今のAcumenでの働き方、自分が買い物をする場所などのことを考えながら頷いていたポイントでした。リアルの場のデザインという文脈ではcoaching, curating experience, facilitating community, emotionというキーワードが印象的でした。

久々にインプット吸収のために足を運ぶことの楽しさを思い出させてくれる夜でした。



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