アメリカの政治を意識する日々 - RNCでのライス氏
留学生として渡米していきなりなのだけれど、実はアメリカは大統領選挙を2ヶ月先に控えているというタイミング。なので今日はアメリカの政治(主に大統領選挙戦に関わる話)についての備忘録。
ちなみにアメリカの政治を意識したのはこれまでにも何度かあった。
2001年:自分が感じたアメリカ(NYの田舎町にて)(大学1年生・留学渡米直後)
2001年に自分が初めてアメリカに留学生としてやってきたとき、到着後半月もたたないうちに911が起きた。
クリントン大統領からブッシュ大統領に引き継がれたのが2001年の1月(つまり選挙が起きたのは2020年11月)。民主党候補としてブッシュと戦っていたのはゴア氏(クリントン政権の副大統領)。
その、2000年の選挙に関して色々と問題が指摘されていたようで、その影響もあってか、ブッシュ大統領の国民支持率があまり高くなかった時におきた同時多発テロだった。
「テロに屈しない強いアメリカ」というメッセージを色々なところで感じることとなるものの、私は渡米したばかりで英語も米国文化もまだ不慣れで世界のことも良く知らず、このアメリカ内の動きが世の中の大きな流れとどう関わりあっているのか全く分かっていなかった。
2004年:自分が感じたアメリカ(大学3年生・留学中)
時は流れ2004年、今度はブッシュ大統領vs民主党のケリー候補との選挙。この時自分は大学3年生。キャンパスの色々なところで選挙に対する意見交換が聞こえてきていたものの、「アメリカ人は政治への興味が高いんだなぁ」程度の感覚で、就職活動や学生生活に意識が向いていて、自分個人にこれがどう関係があるのかは良く分かっていなかった。
2009年:自分が感じたアメリカ(日本にて)
時は流れ2009年。オバマ大統領の就任演説は日本で当時勤務していた証券会社のトレーディングフロアで皆とライブで見た。人を惹き付ける彼の演説に感動したこと、アメリカは本当にすごい国だとシンプルに思ったのを覚えている。
それでも当時はアメリカの大統領が誰になるかがどれだけ世界の他の人に重要かどうかあまり分かっていなかった。
そして今年2012年(ボストンにて)
オバマ大統領の再選と実業家出身の政治家ロムニー氏の闘いに世界が注目している、今回の大統領選。
欧州大陸が経済的にも政治的にも混迷を極め、大国中国も大きな政権交代の節目を控え外交面でも内政面でも微妙なバランスの上に成り立っており、加えて新興国各国の経済成長にも陰りがでてきている今の世界。中東状況も不安定な状況が続いているし核兵器の問題も無視できない・・・・そんな状態の世界の中での経済大国のリーダーが誰になるか、。多くの人が注目している米国大統領選挙になっている。。
民主党のRNC
ちなみに、こっちにきて日本にいた時と変わらずやっていることがiTuneで毎朝ダウンロードするThe Economistの数分Podcastを聞きながら身支度をすること。そのPodcastでも、フロリダで行われている民主党のビッグイベントRNC (Republican National Committee)のアップデートにいつも以上の時間が費やされていた。
ロムニー自身のスピーチはおそらく木曜日。世界の多くの人が注目していることだろう。
今の状況はまだ少しだけ"オバマ>ロムニー"(ロムニ候補ーはオバマ候補ほど個人としての人気はない、オバマ候補に失望した票で今はポイントを稼いでいる状態。とはいえオバマ候補も実績で強調できるプラス面が少ないため、今回はロムニー氏攻撃に戦略がシフトしているようでどのような選挙になるか注目される)
そのロムニー氏の前に行われていた元国務長官のライス氏のスピーチ。
19分と短くはないけれど、お勧め。
このスピーチの特徴は「課題」特にその「解決法」にそこまで時間を割かない点。また、自分たちのあり方/在るべき姿/在りたい姿の共有を特に意識しているという印象を受ける。最後に各国から自国がどう見られているかもきちんと理解しているとも感じた。
たまーに学生同士の会話や教授のプレゼンの中に政治家ジョークがあったり、選挙ネタが混ざってたりするのでこういうことが今起きているという背景理解を持っているのは楽しい会話に参加する上でも大切だと思う。
印象に残ったフレーズたち。
''We can only know that there is no choice because one of two things will happen if we don't lead. Either no one lead and there will be chaos, or someone will fill the vacuum who does not share our values. ....We do not have a choice. We cannot be reluctant to lead. And you cannot lead from behind!!!''
我々がリーダーシップを取らなければならないということに、選択の余地はない。なぜなら、リーダーシップを取らないということは、二つのどちらかのことが起こるということだからだ。一つは、誰もリーダーシップを発揮しないので、混乱が生じるシナリオ。もう一つは、我々の価値観を共有しない誰かがその空白を埋めることになるということ。...選択の余地はない。我々はリーダーシップを取ることにためらってはいけない。そして、後ろからリードすることはできない!!
''The world now knows that when a nation loses a control of its finances, it will eventually lose its destiny.'' 近年世界各地で起きたことを踏まえればわかるように、財政状況が管理できなくなった国は、最終的には滅びていく
''Essence of America, that unites us.. is not our nationality, ethnicity or religion but its idea. It doesn't matter where you came from but it matters where you are going.'' アメリカの本質的な部分、私たちを団結さえるものは、国籍や民族、宗教ではなく、その理念・思想である。大切なのは、あなたがたがどこから来たかではなく、どこに向かっているかなのだ。
うーん力強い。