[課題読み物] Negative Group Members and Dysfunctional Groups
11月2日向け
T-402 Group Learning
''How, When, and Why Bad Apples Spoil the Barrel:
Negative Group Members and Dysfunctional Groups''
- Will Felps, Terence R. Mitchelll and Eliza Byington
=============================================
■イントロ
・異なるグループ間でのパフォーマンスの違いを説明する要素は
色々(Kramerのgroup paranoiaだったり、Janisの
group thinkだったりGully, et elのlow group efficacyだったり)
・この論文はその中でも特にあまりフォーカスが当てられていない
「single, toxic team member」について考察しようとしたもの
・Wetlaufer (1994)がHBRの記事で述べているように
「team destroyer」はグループに悪影響を及ぼすことがある
・この論文ではその人物がグループの他のメンバー/グループの活動プロセス/
グループの活動結果に与える影響やその背景を考察する
・あるグループ内の一個人の行動がどのような段階を経てグループ全体の
機能障害を起こすかということを詳しく見ていく
・Hackman(1976)やLepine&Van Dyne (2001)はこういった人物への
対処方法は①training②compensation③motivation④rejectionか、
と述べている
・しかし、この論文ではむしろ上記の対策が効かない場合
(例えばその人物が重要なポジションであったり、政治力があったり、
分野のエキスパートであったり、効果的でない対処方法を他メンバーが
選んでしまった場合) = ''Bad Apples Spoil the Barrel(樽)"状態
になってしまうケースについて特にフォーカスしている
※ちなみにappleを樽にいれてapple ciderを作る時に、腐ったappleが
一つあると他のものがどれだけ美味しくてもapple ciderはまずくなる、
という比喩がこの言い回しの背景に使われている
■Extant(現存の)Evidence of Bad Apple Effects
・ "Asymmetric effect of negative individuals”
(つまりbad appleが他に与える負の影響のほうが
normal/good appleが他に与える負でない影響より大きいという
非対称性)
・ここでのbad appleの定義は"individuals who chronically(慢性的に)
display behavior which asymmetrically impairs group functioning"
(P180)
■Boundary Conditions
・この論文ではMcGrath (1984) のグループの定義を踏まえ
("an entity that interacts, is interdependent, mutually aware,
with a past and an anticipated future")
bad appleがグループのあり方やパフォーマンスに最もインパクトを
与えると思われる 小規模グループに特にフォーカス
■Bad Apple Team Members
◇Types of Bad Apple Team Members
(どういう行動がチームにおいて「bad apple」的か)
①withholding of effort(努力の放棄)
②being affectively negative(ネガティブな感情+ムード+態度)
③violating important interpersonal norms(規律違反)
→③の7つの例(Bennett&Robinson, 2000)
making fun of someone
saying something hurtful
making an inappropriate ethnic or religious remark
cursing at someone
playing mean pranks
acting rudely
publicly embarrassing someone
※上記①〜③に当てはまらない「undesirable(できれば一緒になりたくない)」
メンバーも存在する、ただし、「negative member」(グループに負の影響を
与えるメンバー、asymmetricな影響を与えるメンバー)は上記①〜③に
当てはまるものを対象として捉えている
※上記の ①〜③の結果として想定されるグループ全体+他メンバーへの影響
①’ Inequity(「フェアじゃない」)
②’ Negative Emotions(「いやな気持ち」)
③’ Damaged Trust(「信頼できない」)
①が①’に対応、、という形ではなく①’〜③’は複雑に関係し合っている
◇Responses to Negative Members
(「bad apple」が発見された場合の対処法)
大きく分けて三パターン
①motivational intervention→「bad apple」をbadから変容させる
②rejection→「bad apple」を取り除く
※心理的な「除外」も含む
※作業内容に対するメンバー間の相互依存度を軽減させる、作業の分担を
明確化するなどの工夫も含む
※①か②が成功した場合、そもそも"bad appleがbarrelをダメにする
という事態を防ぐことが可能
問題は上記①と②が実現できなかった時、そのときは以下の③が起こる
③defensiveness→自分達を守る
※定義"acts intend to protect and repair one's own sense of
autonomy, status, self-esteem, or wellbeing"
※Antecedents to Defensiveness(Defensivenessを助長させる要素2つ)
1) Low Power Situations(bad appleに対して行使できるパワーが少ない)
2) Bad is Stronger than Good(心理的な傾向)
※具体例
①Explosions(爆発)
②Revenge(仕返し&応戦のスパイラルの可能性も)
③Mood maintenance/Distraction
(気分転換を含む、パフォーマンスの障害になることも)
④Denial(見なかったフリ、一時しのぎのことが多い)
⑤Withdrawal(グループへの関与をやめる)
■Moderators of the Bad Apple Effect
(どれだけ影響が大きいものとなるかを考える上で重要な要素)
①Intensity of Negative Behaviors
②Team Interdependence
③Outcomes
④Personal Coping Abilities
■Group Transition Mechanisms
(個人同士のか関わり方がグループ全体へどのように影響を与えるかに
関しては様々な方法があるものの代表的なのは以下の3つ)
①addition(単純にbad appleがたくさん存在、望ましくない行動を
たくさんすればするほど全体に悪影響を及ぼす、という仕組み)
②spillover(そのように振る舞っている人を見ることで無意識のうちに
他のメンバーの行動や思考も影響されてしまうという仕組み、
ソーシャルラーニング、またイライラの伝染?感染?も同様のカテゴリー)
③sensemaking(social interactionによって陥っている状況を
「消化」しようとする→さらにbad appleの存在が浮き彫りに→とはいえ
解決できない状況は続く→属するグループに属していることが嫌に→
グループより個人個人の意志のほうが重要に→コミットメント低下→・・)
■Negative Member's Effects on Group Processes and Outcomes
①Decreased motivation
②Undermined creativity and Learning
③Provide rationale for avoiding cooperation
④More relational conflict
⑤Group Outcomes suffer in terms of quantity, quality and timeliness
- Low performance
- Low wellbeing
- Low viability
※中長期的には「去る」メンバーが出てくる可能性が高い、
優秀な人こそjob mobilityの高い(どこへ行っても通用する)人なので
グループとしては一番手放すべきでない人を失うことにつながる
■その他
・''We believe that the bad apple phenomenon is real and
important, and that its inclusion in future organizational
research will help us to understand and improve dysfunctional groups"
(P213)
・とはいえグループのdysfunctionには「bad apple」以外の要素も
たくさんあるわけで安易に一メンバーの責任と結論づけないように
注意が必要
T-402 Group Learning
''How, When, and Why Bad Apples Spoil the Barrel:
Negative Group Members and Dysfunctional Groups''
- Will Felps, Terence R. Mitchelll and Eliza Byington
=============================================
■イントロ
・異なるグループ間でのパフォーマンスの違いを説明する要素は
色々(Kramerのgroup paranoiaだったり、Janisの
group thinkだったりGully, et elのlow group efficacyだったり)
・この論文はその中でも特にあまりフォーカスが当てられていない
「single, toxic team member」について考察しようとしたもの
・Wetlaufer (1994)がHBRの記事で述べているように
「team destroyer」はグループに悪影響を及ぼすことがある
・この論文ではその人物がグループの他のメンバー/グループの活動プロセス/
グループの活動結果に与える影響やその背景を考察する
・あるグループ内の一個人の行動がどのような段階を経てグループ全体の
機能障害を起こすかということを詳しく見ていく
・Hackman(1976)やLepine&Van Dyne (2001)はこういった人物への
対処方法は①training②compensation③motivation④rejectionか、
と述べている
・しかし、この論文ではむしろ上記の対策が効かない場合
(例えばその人物が重要なポジションであったり、政治力があったり、
分野のエキスパートであったり、効果的でない対処方法を他メンバーが
選んでしまった場合) = ''Bad Apples Spoil the Barrel(樽)"状態
になってしまうケースについて特にフォーカスしている
※ちなみにappleを樽にいれてapple ciderを作る時に、腐ったappleが
一つあると他のものがどれだけ美味しくてもapple ciderはまずくなる、
という比喩がこの言い回しの背景に使われている
■Extant(現存の)Evidence of Bad Apple Effects
・ "Asymmetric effect of negative individuals”
(つまりbad appleが他に与える負の影響のほうが
normal/good appleが他に与える負でない影響より大きいという
非対称性)
・ここでのbad appleの定義は"individuals who chronically(慢性的に)
display behavior which asymmetrically impairs group functioning"
(P180)
■Boundary Conditions
・この論文ではMcGrath (1984) のグループの定義を踏まえ
("an entity that interacts, is interdependent, mutually aware,
with a past and an anticipated future")
bad appleがグループのあり方やパフォーマンスに最もインパクトを
与えると思われる 小規模グループに特にフォーカス
■Bad Apple Team Members
◇Types of Bad Apple Team Members
(どういう行動がチームにおいて「bad apple」的か)
①withholding of effort(努力の放棄)
②being affectively negative(ネガティブな感情+ムード+態度)
③violating important interpersonal norms(規律違反)
→③の7つの例(Bennett&Robinson, 2000)
making fun of someone
saying something hurtful
making an inappropriate ethnic or religious remark
cursing at someone
playing mean pranks
acting rudely
publicly embarrassing someone
※上記①〜③に当てはまらない「undesirable(できれば一緒になりたくない)」
メンバーも存在する、ただし、「negative member」(グループに負の影響を
与えるメンバー、asymmetricな影響を与えるメンバー)は上記①〜③に
当てはまるものを対象として捉えている
※上記の ①〜③の結果として想定されるグループ全体+他メンバーへの影響
①’ Inequity(「フェアじゃない」)
②’ Negative Emotions(「いやな気持ち」)
③’ Damaged Trust(「信頼できない」)
①が①’に対応、、という形ではなく①’〜③’は複雑に関係し合っている
可能性が高いらしいもののその分野では更なるリサーチが必要、とのこと
◇Responses to Negative Members
(「bad apple」が発見された場合の対処法)
大きく分けて三パターン
①motivational intervention→「bad apple」をbadから変容させる
②rejection→「bad apple」を取り除く
※心理的な「除外」も含む
※作業内容に対するメンバー間の相互依存度を軽減させる、作業の分担を
明確化するなどの工夫も含む
※①か②が成功した場合、そもそも"bad appleがbarrelをダメにする
という事態を防ぐことが可能
問題は上記①と②が実現できなかった時、そのときは以下の③が起こる
③defensiveness→自分達を守る
※定義"acts intend to protect and repair one's own sense of
autonomy, status, self-esteem, or wellbeing"
※Antecedents to Defensiveness(Defensivenessを助長させる要素2つ)
1) Low Power Situations(bad appleに対して行使できるパワーが少ない)
2) Bad is Stronger than Good(心理的な傾向)
※具体例
①Explosions(爆発)
②Revenge(仕返し&応戦のスパイラルの可能性も)
③Mood maintenance/Distraction
(気分転換を含む、パフォーマンスの障害になることも)
④Denial(見なかったフリ、一時しのぎのことが多い)
⑤Withdrawal(グループへの関与をやめる)
■Moderators of the Bad Apple Effect
(どれだけ影響が大きいものとなるかを考える上で重要な要素)
①Intensity of Negative Behaviors
②Team Interdependence
③Outcomes
④Personal Coping Abilities
■Group Transition Mechanisms
(個人同士のか関わり方がグループ全体へどのように影響を与えるかに
関しては様々な方法があるものの代表的なのは以下の3つ)
①addition(単純にbad appleがたくさん存在、望ましくない行動を
たくさんすればするほど全体に悪影響を及ぼす、という仕組み)
②spillover(そのように振る舞っている人を見ることで無意識のうちに
他のメンバーの行動や思考も影響されてしまうという仕組み、
ソーシャルラーニング、またイライラの伝染?感染?も同様のカテゴリー)
③sensemaking(social interactionによって陥っている状況を
「消化」しようとする→さらにbad appleの存在が浮き彫りに→とはいえ
解決できない状況は続く→属するグループに属していることが嫌に→
グループより個人個人の意志のほうが重要に→コミットメント低下→・・)
■Negative Member's Effects on Group Processes and Outcomes
①Decreased motivation
②Undermined creativity and Learning
③Provide rationale for avoiding cooperation
④More relational conflict
⑤Group Outcomes suffer in terms of quantity, quality and timeliness
- Low performance
- Low wellbeing
- Low viability
※中長期的には「去る」メンバーが出てくる可能性が高い、
優秀な人こそjob mobilityの高い(どこへ行っても通用する)人なので
グループとしては一番手放すべきでない人を失うことにつながる
■その他
・''We believe that the bad apple phenomenon is real and
important, and that its inclusion in future organizational
research will help us to understand and improve dysfunctional groups"
(P213)
・とはいえグループのdysfunctionには「bad apple」以外の要素も
たくさんあるわけで安易に一メンバーの責任と結論づけないように
注意が必要