Tomoko Matsukawa 松川倫子

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学びに利活用されている100のツール

以下は2012年の9月に最初書いたものです。そういえば既に1年以上経って、新しいものも発表されていた、と思い更新し、かつ最近感じるTeacher Professional Developmentのことについても少し触れます。

Top 100 Tools for Learning 2012

どれだけ世の中が「学び」「教育」の世界でスピーディーに動いているかを知るのに良いスライドがあります。 Top 100 Tools for Learning :(記事は こちら:上位30だけ以下に記載しています)

どのツールが取り上げられているかはもちろんですが毎年のランキングの変化を見ているとびっくりするものがたくさんあります。

昨日始まったクラス「Transforming Education through Emerging Technologies」では授業中にBackChannelといって授業中のクラスでの場(英語ではair timeという)の時間が限られていて発言したくても出来なかった人のための裏のチャットルームがあります。(こちらでは有名な blackboard社のアプリケーションを使用)

またTwitterと Diigoの使用もシラバスに記載されていますし、YouTubeや Slideshareにシェアされている様々な外部リソースが授業中に紹介されたりもします。

昨日出張中の准教授とはクラス選択の相談をSkypeで行いました。また最終発表の資料作成の指示出しの時も''How many of you here are Prezi users?"といった発言が教授から出るなどPowerPointもonly oneじゃなくなってきています。

日本ではまだまだTwitterが教育の場で使われているかどうか知らないのですが、ハッシュタグの活用を含め、こちらでは 学校教育にもTwitterがどんどん使われているようです。


F = free, P = paid for, D = download, O = online

Top 30

  1. Twitter - micro-sharing site   |  1 |  1 | 11 | 43=    F O 
  2. YouTube - video-sharing tool | 2 |  3 | 18 | 22=   F O 
  3. Google Docs – collaboration suite (incl Google Forms) |  3 | 5 | 7 | 14    F O 
  4. Skype - instant messaging/VoIP tool  |  6 |  11= | 4 | 3=    F/P D  
  5. WordPress - blogging tool  | 8 | 6 | 5 | 6=6=    F O/D
  6. Dropbox - file synching software   | 13 | 71= | – | -   F/P O/D
  7. Prezi - presentation software  | 12 | 28 |  - |  -   F O
  8. Moodle - course management system  |  10 | 14= | 9 | 12=    F/D
  9. Slideshare - presentation sharing site  | 5 | 7 | 20 | 31   F O
  10. (Edu)Glogster - interactive poster tool  | 25 | 55= | – | -  F O
  11. Wikipedia - collaborative encyclopaedia  | 16 | 17 | 13 | 26=  F O
  12. Blogger/Blogspot - blogging tool  | 14 | 14= | 10 | 9  F O
  13. diigo - social annotation tool  | 15 | 22= | 35= | 72=  F O
  14. Facebook - social network   | 9 | 31= |  24 | 17=  F O
  15. Google Search - search engine  | 11 | 8 | 6 | 3  F O
  16. Google Reader - RSS reader   | 7 | 4 | 3 | 7=  F O
  17. Evernote - note-taking tool  | 23 | 27 | – | 16=  F D
  18. Jing - screen capture tool   | 17 | 20 | 26= | -  F D
  19. PowerPoint - presentation software  |  21 | 13 | 8 | 5  P D
  20. Gmail - web-based email service   | 31 | 21 | 14 | 7=  F O
  21. LinkedIn - prof social network  | 30 | 38= | 30= | 31=   F O
  22. Edmodo - edu social networking site  | 46 | 88 | – | -   F O
  23. Wikispaces - wiki tool  | 17 | 29 | 19 | 15   F/P O
  24. Delicious - social bookmarking tool  |  4 | 2 | 1 | 2  F O
  25. Voicethread - collaborative slideshows  | 19 | 19 | 23 | –   F/P O
  26. Google+ - social network  - F O   Highest placed new tool
  27. Animoto - videos from images  | 28 | 31= |  - |  -  F O
  28. Camtasia- screencasting tool   |  27 | 26 | 26= | 50=  P D
  29. Audacity  - sound editor/recorder  | 24 | 9= | 12 | 11  F D
  30. TED Talks - inspirational videos   F O  New

Top 100 Tools for Learning 2013

今回(2014年3月1日)新しく追記は2013年の秋に発表された "Top 100 Tools for Learning"。気になるランキングの変化をまとめました。

大きく順位を伸ばしたツールにEvernote, Google+&Hangout, LinkedIn, Pinterest, Articulate, Google Chrome, Snagit, Google Scholar, Flipboard, Adobe Captivate, Outlook, Khan Academy, Adobe Photoshop, Akydrive, WebEx, Screenr

新しくランキング入りしたツールに Feedly, Coursera, iSpring, Socrative, Todays Meet, WhatsApp, Trello, eLearningArt, ProProfs Quiz Maker, Pearltrees

日本のNAVERまとめみたいなStorifyもランキングに再登場していました。一年でこんなに変化するランキング、きっと毎年色々と変化がこれからもありそうです。

こういった「リスト」の活用方法

ちなみにこのランキング、注意しなくてはいけないのは、アンケートに答えたのが誰かが分かりにくいということと、何のために使うかが様々なツールが一つの定規で並べられているのでランキングそのものに関しては解釈が難しいということ。

例えば一つ目の点に関しては500人の「learning professionals worldwide」を対象に実施したアンケートの結果とあるので、これが「小学校の先生」の声をどこまで反映しているのか、「大学院の教授」の声を反映しているのか、「職業訓練に関わるinstructional designer」の声を反映しているのか、正直よく分かりません。

また、それぞれのツールは目的が以下のように多様なツールだと理解しています。「情報収集のため」「情報伝達のため」「相互コミュニケーションのため」「アイディアを可視化するため」「情報をキュレートするため」「学びの記録を残すため」「情報/アイディアを共有するため」「興味のある分野のリソースを追求するため」「瞬時にフィードバックを得るため」「学びの振り返りをするため」・・・なので、ランキング内でも同じ目的に使われているツールのランキングの上下は意味があることかもしれませんが、それ以外はあまり重要でないかな、と。

むしろランキングそのものよりも、このリストはこれらのツールの存在を「学びを届ける立場にいる人」に知ってもらうことに存在意義があるかな、と。


Educator Professional Development

ツールの存在を知った後は、教える側にいる人達(学校に限らず、企業内研修とかもそうですね)がそれを使えるようになることが大事になります。アンテナの高い先生方は「どうやったらこういうツールをうまく活用しながら自分が届けようとしている学びの場の有益度を高められるだろう」ということを模索しています。

そしてその模索ニーズを満たそうとする無料コースも増えてきました。例えば MOOC-Ed (Massive Open Online Courses for Educators)による「 The Digital Learning Transition」といったコースや、ツールありきではないですが、そもそもどのように学びをより有意義なカタチで学習者に届けるか、ということにフォーカスした Deeper Leraning MOOC (DLMOOC)とか、 CourseraのTeacher Professional Developmentのリストにある ICT for Primary Educationとか Emerging Trends & Technologies in the Virtual K-12 Classroomとか Blended Leraning: Personalizing Educations for Students など。

全て無料なので、仲間と一緒にこれらのコースに取り組むだけでも相当有意義なprofessionald developementの出発点になると感じます。そういうことをしてくれている先生方に学ぶ子ども達、そういうこと(コースはもちろんのことツールの存在も)を全く知らない先生方に学ぶ子ども達(もちろんこういうツールを一切使わないままでamazing teacherという人もまだまだたくさんいらっしゃると思いますが、比率としては少ないという前提)・・・・・教育というフィールドにおいて重要な時代の分岐点がジワジワと来ているのかな、と感じます。

日本の先生に向けて、日本語でのオリジナルのProfessional Developmentプログラムを提供するか、これら世界に配信されている無料リソースを日本語に訳して提供するか。どちらにせよこういった変化が激しく、学習者同士がつながることで学びが深まるタイプの学びの場においてはxMOOC型よりもcMOOC型が有益な気がします。



関連エントリ-: cMOOCとxMOOCについて