建築家 隈研吾氏/国際大学建築コンペ
先週の火曜日の夜はデザインスクールで開催されていたOpen Event''Kengo Kuma After March 11th''に行って来ました。 Kengo Kuma氏は建築家。
''After March 11th''の部分に惹かれてこのイベントに行く事を決めていたので、実はKuma氏がどれだけ有名な方かというのは参加してようやく理解した、というくらい。でも、同じ時間帯にサンデル教授のイベントがあって、少し迷ったけれど、こっちに行って良かったと思いました。凄かった、隈研吾氏。
彼が話していた内容(主に彼の感じていること、311以降考えていること、行ったことなど)に合わせて散りばめられていたプレゼン資料の美しさが合わさった、パワフルなストーリーテリングのあり方が強く印象に残った。雰囲気は違うのだけれどもアカデミーヒルズでTadao Andoさんがお話されていたのを聞きに行った時のことを少し思い出した。強い信念を持つ方々の話の伝え方には何か似通っているものがある。
強い想いとアーティストの「わざ」が合わさって世の中に生まれてくる芸術作品(この建築物)ってこうやって時間も国籍も文化も超えて多くの人の心をつかむのだな、と単純だけど素敵なことを噛み締めることができた夜でした。
・1755年のリスボンの大地震
・1871年のシカゴの大火災
・1923年の関東大震災
と並べてみながら、それぞれがその後現地の建築物のあり方にどう影響を与えたかなどを比較して語ってくださいました。
そして、''Architect cannot resist nature. You need to respect the nature''というメッセージを伝えていました。(宮城のKitamaki Canal Museumの被害の様子からもこの教訓を学んだ、とおっしゃっていましたた)
また、ナチスから逃れた当時日本に3年滞在していたBruno Tautという建築家が桂離宮を訪ねた際のエピソードや彼から学んだ''creating relation between nature and artifact''がどのように建築家としての考えに影響を与え続けているかという点も話されていました。
広重美術館のプロジェクトの話に合わせ日本の絵画独特の特徴やVincent Van GoghやFrank Lloyd Wrightが''Hiroshige''からどのように影響を受けていたかなどを紹介、''Okakura TenshinのBook of Tea''のこともコメント。21世紀の人々が忘れかけている「地元の山」の存在を
強調させたかったというこの美術館は自然との融合を意識されたデザインはもちろん、資材も地元のものを、とこだわったそうです。
その他「素材のこだわり」という話で名古屋明治村のインペリアルホテルが紹介されたり
Bamboo Houseが紹介されました。彼の手がけた二軒目のbamboo houseは中国にあるそうです。
''Use small element and move to the big, whole''というコンセプトの事例として子どものおもちゃ「Chidori」からヒントを得たという建築物もいくつか紹介してました。
それ以外にも''Self sufficiency''(つまり今回の震災などでインフラのもろさを痛感した結果)をテーマに水のポリタンクで創った家のコンセプトを紹介していました。
ちなみにこの''Self sufficiency''関係で紹介されていたのが「国際大学建築コンペ」という取り組み。「NEXT GENERATION SUSTAINABLE HOUSE IN TAIKI-CHO」がテーマのコンペだったらようです。
''After March 11th''の部分に惹かれてこのイベントに行く事を決めていたので、実はKuma氏がどれだけ有名な方かというのは参加してようやく理解した、というくらい。でも、同じ時間帯にサンデル教授のイベントがあって、少し迷ったけれど、こっちに行って良かったと思いました。凄かった、隈研吾氏。
彼が話していた内容(主に彼の感じていること、311以降考えていること、行ったことなど)に合わせて散りばめられていたプレゼン資料の美しさが合わさった、パワフルなストーリーテリングのあり方が強く印象に残った。雰囲気は違うのだけれどもアカデミーヒルズでTadao Andoさんがお話されていたのを聞きに行った時のことを少し思い出した。強い信念を持つ方々の話の伝え方には何か似通っているものがある。
強い想いとアーティストの「わざ」が合わさって世の中に生まれてくる芸術作品(この建築物)ってこうやって時間も国籍も文化も超えて多くの人の心をつかむのだな、と単純だけど素敵なことを噛み締めることができた夜でした。
隈研吾氏のプレゼンより
隈氏は今回の東日本の震災を・1755年のリスボンの大地震
・1871年のシカゴの大火災
・1923年の関東大震災
と並べてみながら、それぞれがその後現地の建築物のあり方にどう影響を与えたかなどを比較して語ってくださいました。
そして、''Architect cannot resist nature. You need to respect the nature''というメッセージを伝えていました。(宮城のKitamaki Canal Museumの被害の様子からもこの教訓を学んだ、とおっしゃっていましたた)
また、ナチスから逃れた当時日本に3年滞在していたBruno Tautという建築家が桂離宮を訪ねた際のエピソードや彼から学んだ''creating relation between nature and artifact''がどのように建築家としての考えに影響を与え続けているかという点も話されていました。
広重美術館のプロジェクトの話に合わせ日本の絵画独特の特徴やVincent Van GoghやFrank Lloyd Wrightが''Hiroshige''からどのように影響を受けていたかなどを紹介、''Okakura TenshinのBook of Tea''のこともコメント。21世紀の人々が忘れかけている「地元の山」の存在を
強調させたかったというこの美術館は自然との融合を意識されたデザインはもちろん、資材も地元のものを、とこだわったそうです。
その他「素材のこだわり」という話で名古屋明治村のインペリアルホテルが紹介されたり
Bamboo Houseが紹介されました。彼の手がけた二軒目のbamboo houseは中国にあるそうです。
''Use small element and move to the big, whole''というコンセプトの事例として子どものおもちゃ「Chidori」からヒントを得たという建築物もいくつか紹介してました。
それ以外にも''Self sufficiency''(つまり今回の震災などでインフラのもろさを痛感した結果)をテーマに水のポリタンクで創った家のコンセプトを紹介していました。
ちなみにこの''Self sufficiency''関係で紹介されていたのが「国際大学建築コンペ」という取り組み。「NEXT GENERATION SUSTAINABLE HOUSE IN TAIKI-CHO」がテーマのコンペだったらようです。
寒冷地の過酷な気象条件かつインフラ基盤の弱い北海道大樹町の地域特性を活用して、世界の最先端の技術を導入。また北の大地特有の冬の雪、春から夏にかけての樹木、農作物の壮大な景観とマッチする次世代サステナブル住宅を建設し、省エネ効果のデータをもとに、技術的に有効性を検証し、地球社会に情報を発信する。
最優秀賞は、北海道・大樹町「メム メドウズ」敷地内に実作として建設されるようでした。今後毎年選ばれたコンセプト1軒だけが建てられていくそうです。今年は9カ国12大学からのエントリーの中からスイスとフィンランドが優秀賞に選ばれ、慶応が最優秀賞ということで、Kuma氏はこのコンペの審査委員長であったそうです。
今回はアメリカはコロンビアとMITだけが応募していたようですがハーバードのデザインスクールの学生に向けて次回は応募を、といったメッセージがあったように記憶しています。
最後のまとめとして、以下のメッセージを強調していました
最後のまとめとして、以下のメッセージを強調していました
- 政府に依存するのではなくボトムアップで行動していくべき
- 小さな部分から全体へ
- Disasterの後こそ大事
- 構造そのものが大事なわけではない
- 立地を研究し、「良い」素材を大事にすること