EdTech~ツールを見極めるために重要な視点
秋学期に受講中の''Transforming Education through Emerging Technology''。毎週月曜日に行われているこの授業。なんと昨日で学期の折り返し地点に既に来てしまった模様。
比較的ゆるい設計の授業
今までのシラバスを振り返ってみます。- New Technologies and New Educational Models (9/10):NMC Horizon Forecasts(Horizonレポートはブログに記載済み)White Paper on Transformation via Learning Technologies、Virtual Reality and Visualization as Emerging Technologies、Framework for the 2010 National Education Technology Plan(NETPについてブログに記載済み)
- Virtual Worlds for Learning and Assessment (9/17):Virtual Worlds as Learning Environments、Discussion of National Ed Tech Plan Learning and Assessment Sections
- Teaching to Facilitate Learning (9/24):Virtual Performance Assessments、The influence of social media on learning、Discussion on how learning styles, strengths, and preferences are influenced by technology、Discussion on National Ed Tech Plan Teaching section
- Mobile Learning and Infrastructure (10/1):Mobile learning and Augmented Reality、Challenges and Opportunities of Educational Infrastructure
- Models of 21st Century Education (10/15):Research Challenges、Synthesis of National Educational Technology Plan、Lifewide Learning
そして今ココ。
授業が正直シラバスのタイトル通りにいっているかというとちょっと「?」状態。色々と事前読み物が渡されて、教授のファシリによるクラス全体ディスカッションがあって、そのあと自由に思ったことを学生が発言してクラスを進める方式なので結構構造はゆるめ。
もともと「全体像を把握」的なクラスで、この授業の参加は全体の成績の3割しか占めず、残りは課外プロジェクトなので授業参加によって何かたくさん新しいインプットを得るというものではない。
むしろ問いを受け、あるテーマについて深く考え、その考えをクラス全体で共有することで思考を深めたり新たな問いを自ら生み出す、自分に引き寄せて自分が何をすべきかを考えるきっかけを得る、そういうことをこの授業では目的としているような印象を受けてます。
したがってサボりたければどうぞ、参加したくなければどうぞ、的なゆるさもある。大学院だし、皆大人だし、自分の学びには自己責任で自己判断でどうぞ、ってかんじ。最初このスタイルにやや戸惑った自分はやはりまだまだ「20世紀型」「工業化社会」の時代で育った人間なんだと感じたりもしてます。
「21世紀型」の学びとしてのキーワードとして良くあげられるのは''learner centered education''(学習者を中心として学びのあり方)''situated learning''(環境から学ぶ)and ''transfer''(学びの応用)''Push型からPull型へ''など。
インターネットのみならずモバイル(スマートフォンはノートPCが単に小さくなったものではない、という点も教育において重要な点)の爆発的な普及は教育のEquity(公平さ)を後押しするパワフルな力。しかし、教育の本来の目指すべきを考えた際にEquityは単なる通過点。それ以外の視点でツールというものを吟味しなくてはいけないという話でその切り口を4つ提示された。
最近は①の解決策を提供する仕組みがたくさん出て来ているけど②〜⑤はまだまだこれからだ、というのがDede教授の見方。そこで思い出したのがリクルートがオンラインの学習に参入の話。これも①の話だな、と思ったり。
そもそもlearner centered educationという今後の目指すかたちを考えた際、「教える人→学ぶ人というモデル」は既に古い。(また受験対策というものも古いものになると思う、今の受験のあり方は20世紀型だし)
learner centered educationになったらFlipped Classroomも当初ほど魅力的でなくなった、という教師のコメントがあったり、と「学びのモデル」に関するパラダイムシフトは起きつつある。段階的に進化をする上でFlipped Classroomなどは有益な通り道なのかもしれない。でも、それがゴールではない気もする。教育に関して持っていた今までの固定概念が色々な方面から問われている気がする。
・・・AR(Augmented Reality)を利活用した学習手法、
・・・ユビキタス環境での学びという未来の可能性、
・・・更に進む機器のスマート化・・・(直近はBMWの記事がありました)
Dede教授曰く教育の世界に存在している大きな障害要因は:①構造的要因、②疑い深いステークホルダー、と、③規模化が進まない商品+サービス
そういう世界における変化はおそらくEvolution(進化)型ではなくTransformation(根本的な変化)型であるということ。つまりdisruptive innovationの出番。と教授は言う。ここでクリステンセン教授の破壊的イノベーションや別のクラスで学んだアージリス教授のダブルループラーニングの概念がつながってくるのが面白い。(酒井穣さんのブログが分かりやすい)
今の時代に「教育」の世界に身を置く人間には、今まで以上に柔軟な考え方をすることが求められているのだなあ、ということを感じる。ワクワクする。
そして彼が最後に強調していたもう一つの点。それはITというツールの中で「cool(かっこいい)」ツールと「useful(つかえる)」ツールは別ものだということ。MicrosoftのSmart Surfaceというテクノロジーのビデオを見せながら、これはcoolだけど学びの場に利活用できるツールではない、というクギを刺していた。一瞬良さげなツールを目にしたとしても、「健全な」批判的視点も重要だよ、と。
授業が正直シラバスのタイトル通りにいっているかというとちょっと「?」状態。色々と事前読み物が渡されて、教授のファシリによるクラス全体ディスカッションがあって、そのあと自由に思ったことを学生が発言してクラスを進める方式なので結構構造はゆるめ。
もともと「全体像を把握」的なクラスで、この授業の参加は全体の成績の3割しか占めず、残りは課外プロジェクトなので授業参加によって何かたくさん新しいインプットを得るというものではない。
むしろ問いを受け、あるテーマについて深く考え、その考えをクラス全体で共有することで思考を深めたり新たな問いを自ら生み出す、自分に引き寄せて自分が何をすべきかを考えるきっかけを得る、そういうことをこの授業では目的としているような印象を受けてます。
したがってサボりたければどうぞ、参加したくなければどうぞ、的なゆるさもある。大学院だし、皆大人だし、自分の学びには自己責任で自己判断でどうぞ、ってかんじ。最初このスタイルにやや戸惑った自分はやはりまだまだ「20世紀型」「工業化社会」の時代で育った人間なんだと感じたりもしてます。
今日学んだ事 のメモ
その上で(今日はタイトルにある)「ITツールを見極めるために重要な視点」について。「21世紀型」の学びとしてのキーワードとして良くあげられるのは''learner centered education''(学習者を中心として学びのあり方)''situated learning''(環境から学ぶ)and ''transfer''(学びの応用)''Push型からPull型へ''など。
インターネットのみならずモバイル(スマートフォンはノートPCが単に小さくなったものではない、という点も教育において重要な点)の爆発的な普及は教育のEquity(公平さ)を後押しするパワフルな力。しかし、教育の本来の目指すべきを考えた際にEquityは単なる通過点。それ以外の視点でツールというものを吟味しなくてはいけないという話でその切り口を4つ提示された。
- access to sophisticated devices and broadband connectivity, anytime any place→そもそも物理的に学びの場へ公平なアクセスがあるかどうか
- access to affordable educational resources optimized to various types of learners→個人の学習者特有のニーズ(障害や学習者の個人の特徴などを含む)に応えられているかどうか
- cognitive, affective and social supports that encourage retention and accomplishment(例:MOOC)→効果的な学びに不可欠な周囲のサポートがあるかどうか
- valid, reliable and fair assessments that provide a basis for certificate→ナレッジ(知識)が得られてもその経験をレバレッジできるかどうか学びが学習者の人生のあり方にインパクトを与えているかどうか(これはinformal learningによくある悩み)
- structures for lifewide learning that do not require classrooms and teachers→lifewideで学び続ける仕組みはどうなっているか
最近は①の解決策を提供する仕組みがたくさん出て来ているけど②〜⑤はまだまだこれからだ、というのがDede教授の見方。そこで思い出したのがリクルートがオンラインの学習に参入の話。これも①の話だな、と思ったり。
そもそもlearner centered educationという今後の目指すかたちを考えた際、「教える人→学ぶ人というモデル」は既に古い。(また受験対策というものも古いものになると思う、今の受験のあり方は20世紀型だし)
learner centered educationになったらFlipped Classroomも当初ほど魅力的でなくなった、という教師のコメントがあったり、と「学びのモデル」に関するパラダイムシフトは起きつつある。段階的に進化をする上でFlipped Classroomなどは有益な通り道なのかもしれない。でも、それがゴールではない気もする。教育に関して持っていた今までの固定概念が色々な方面から問われている気がする。
・・・AR(Augmented Reality)を利活用した学習手法、
・・・ユビキタス環境での学びという未来の可能性、
・・・更に進む機器のスマート化・・・(直近はBMWの記事がありました)
Dede教授曰く教育の世界に存在している大きな障害要因は:①構造的要因、②疑い深いステークホルダー、と、③規模化が進まない商品+サービス
そういう世界における変化はおそらくEvolution(進化)型ではなくTransformation(根本的な変化)型であるということ。つまりdisruptive innovationの出番。と教授は言う。ここでクリステンセン教授の破壊的イノベーションや別のクラスで学んだアージリス教授のダブルループラーニングの概念がつながってくるのが面白い。(酒井穣さんのブログが分かりやすい)
今の時代に「教育」の世界に身を置く人間には、今まで以上に柔軟な考え方をすることが求められているのだなあ、ということを感じる。ワクワクする。
そして彼が最後に強調していたもう一つの点。それはITというツールの中で「cool(かっこいい)」ツールと「useful(つかえる)」ツールは別ものだということ。MicrosoftのSmart Surfaceというテクノロジーのビデオを見せながら、これはcoolだけど学びの場に利活用できるツールではない、というクギを刺していた。一瞬良さげなツールを目にしたとしても、「健全な」批判的視点も重要だよ、と。