ハーバード教育研究所内のプロジェクトLILA★働くことと学ぶこと
来週はとうとう
LILA(Learning Innovation Laboratory)の目玉イベント。LILAとはHGSEの先端?研究所っぽい位置づけにあるProject Zeroの中の研究の一つ。自分がここで出会って好きになった
Wilson教授が
David Perkin教授と一緒にディレクターをつとめるこの研究プロジェクト。
彼のこのプロジェクトへ参加しようと思った理由の8割以上がこの目玉イベントに関与できるということを知ったから。(今年の秋に取っている4「クラス」の一つがこのプロジェクトのAssistant Researcherになること、なので参加によって4単位がもらえることになっている、成績は付与されない)
どんなイベントかというと、各業界のCLO(Chief Learning Officer)やCIO(Chief Innovation Officer)が集まり、学び合うコミュニティとしてあるテーマについて(人材育成や組織開発関連のトピック)議論を交わすというもの。
今まで40回ほどこのようなイベントを開催しているようだけど、直近の主なテーマには以下のようなものがあったらしい。
彼のこのプロジェクトへ参加しようと思った理由の8割以上がこの目玉イベントに関与できるということを知ったから。(今年の秋に取っている4「クラス」の一つがこのプロジェクトのAssistant Researcherになること、なので参加によって4単位がもらえることになっている、成績は付与されない)
どんなイベントかというと、各業界のCLO(Chief Learning Officer)やCIO(Chief Innovation Officer)が集まり、学び合うコミュニティとしてあるテーマについて(人材育成や組織開発関連のトピック)議論を交わすというもの。
今まで40回ほどこのようなイベントを開催しているようだけど、直近の主なテーマには以下のようなものがあったらしい。
- “Weaving Wisdom in Organizations” (2011)
- “The Effective Collective” (2010)
- “Leading Insight and Impact” (2009)
- “The Future of Learning” (2008)
- “New Models of Decision Making” (2007)
今年のテーマは''Learning at Work''。
個人的にとてーーも興味のある分野である上に、今回のゲストスピーカー二人も共にとても気になる方々。一人はコロンビア大学の教授で''Informal learning''の世界では有名な
Victoria Marsick教授(ちょうどGroup Learningの授業で彼女の文献を読まされたばかりだった)
そしてもう片方は 建築デザインコンサルファームの Genslerの方々。Genslerといえば 自分のコーネル時代の「憧れの就職先」だった会社。オフィスデザインに限らず様々な商業空間&住居空間のデザインに特化していて、それはワクワクするプロジェクトをたくさん手がけているファーム。(日本ではコクヨさんが最近 「働くしくみと空間をデザインするマガジン『ワークサイト』」を出版しているのでぜひその世界に興味がある方はチェック)
Marsick教授の関連資料(研修提供会社 achieveglobalにMarsick教授が寄稿した''How Informal Learning Makes Training Real'')と Genslerの2008 WORKPLACE SURVEYを事前準備として読んでいたのだけれどもとてもワクワクした。
またこれを「場」で区切った場合はこの割合が「8割:2割のルール」に衣がわり。8割がInformalの場で学びが得られ、2割がformalの場で得られるというもの。
Marsick教授はその中でもInformal learningがどう定義づけられているのか、どこで起きているのか、どうそれを管理&助長できるのか、を研究している人。
informalな場から得られる学びとformalな場から得られる学びを対立構造で捉える人もいる中で、彼女はあくまでも両方は補完的な関係であり、トータルで考える必要があると主張する。なぜinformal learningのことを良く考える必要があるかというと、それの理解を深めることによってformal learningのあり方を変えていくことにつながるから、らしい。
研修や学校などのformal learningの場をどう良くするか、に関与している人がinformal learningのあり方もセットで考えることがどれだけ重要かということを痛感させられる意見です。
そしてもう片方は 建築デザインコンサルファームの Genslerの方々。Genslerといえば 自分のコーネル時代の「憧れの就職先」だった会社。オフィスデザインに限らず様々な商業空間&住居空間のデザインに特化していて、それはワクワクするプロジェクトをたくさん手がけているファーム。(日本ではコクヨさんが最近 「働くしくみと空間をデザインするマガジン『ワークサイト』」を出版しているのでぜひその世界に興味がある方はチェック)
Marsick教授の関連資料(研修提供会社 achieveglobalにMarsick教授が寄稿した''How Informal Learning Makes Training Real'')と Genslerの2008 WORKPLACE SURVEYを事前準備として読んでいたのだけれどもとてもワクワクした。
70/20/10のルール。Informalな場で起こる学びは8割の時間
人材育成関連の世界ではよく知られているという「70/20/10ルール」。学びの7割はon the jobで得られ、2割がrelationship(人との関わり合い、メンターを通じた学び)1割がトレーニングで得られるというもの。厳密な定義は色々あるみたいですが(Corporate Leadership Council, 2004, DDI, 2009; Janus, 2008; Shroff, 2006)とりあえず Center for Creative LeadershipのLombardoとEichingerの提唱するこのルールは多くの人が理解+支持している考え方の様子。またこれを「場」で区切った場合はこの割合が「8割:2割のルール」に衣がわり。8割がInformalの場で学びが得られ、2割がformalの場で得られるというもの。
Marsick教授はその中でもInformal learningがどう定義づけられているのか、どこで起きているのか、どうそれを管理&助長できるのか、を研究している人。
informalな場から得られる学びとformalな場から得られる学びを対立構造で捉える人もいる中で、彼女はあくまでも両方は補完的な関係であり、トータルで考える必要があると主張する。なぜinformal learningのことを良く考える必要があるかというと、それの理解を深めることによってformal learningのあり方を変えていくことにつながるから、らしい。
研修や学校などのformal learningの場をどう良くするか、に関与している人がinformal learningのあり方もセットで考えることがどれだけ重要かということを痛感させられる意見です。
ビジネスの世界で意識すべきこと
今年のLILAには HBSのTeresa Amabile教授のもとで以下の点を研究している学生も参加しており、自分のグロービス時代の経験を振り返っても、この分野に対する事業会社の方々の興味が高いのを感じます。- 従業員は現場で学ぶ、ということについてどう感じているのか
- 組織のどのような要素が従業員のformalそしてinformalの場での学びに対する意欲に影響を与えるのか
- 現場での学び、というものをどう測定するのか
組織が意図する戦略の実現のために自分達の人の成長に投資するのは当然で、その投資の中でformalでないinformalな部分もしっかりとデザインしたいというのも上記ルールの比率を考えたら納得のいく話。
従業員側からしても人生の大半を過ごす「仕事」において、研修のようなformalの場だけでなくinformalの場もより学びの多い機会にあふれていたらやりがいもその組織に属することで得られる能力向上の幅も大きいものになるに違いない。
ただinformal learningという世界は
それでもそういう世界に取り組んで研究をしている教授たちがいるという事実。そして、Genslerやachieveglobalのような組織がその状況を研究&理解しようとしながらソリューションサービスを提供しているという現実。とてもワクワクする事だと思います。
水曜と木曜は朝から晩までこれでつぶれますが、とっても楽しみです。
Gensler 2008 Survey Reportより
従業員側からしても人生の大半を過ごす「仕事」において、研修のようなformalの場だけでなくinformalの場もより学びの多い機会にあふれていたらやりがいもその組織に属することで得られる能力向上の幅も大きいものになるに違いない。
ただinformal learningという世界は
- 'happens organically and without much structure''で
- ''happens primarily not in the classroom''で
- ''drove by learners themselves in their own preferred ways, rather than outside experts or representatives of organizations'' (Marsick)
それでもそういう世界に取り組んで研究をしている教授たちがいるという事実。そして、Genslerやachieveglobalのような組織がその状況を研究&理解しようとしながらソリューションサービスを提供しているという現実。とてもワクワクする事だと思います。
水曜と木曜は朝から晩までこれでつぶれますが、とっても楽しみです。
Gensler 2008 Survey Reportより