情報は世界を駆け巡る・予兆を捉える
日本の情報が遠く感じる。
そもそも学生で、かつ定期購読している唯一の情報ものがEconomistでPodcastで日々触れているものがEconomistとBBC。授業のDiigoを通じてクラスメートと共有し合っている「教育系」の 記事は業界紙であったりNYTであったりTimes, Forbesであったりするので日本の情報は積極的に取りに行かない限り目にする事はほとんどない。(例外は尖閣諸島のゴタゴタとソフトバンクの買収の話くらい)
渡米してからは日経新聞からメール配信で受け取っていた「日経ニュース」にすら目を通さなくなり、日本で何が起きているかほとんどフォローできていない。(石原都知事が新党立ち上げのために都知事を辞任したことや田中文相大臣が大学の認可についてなんか色々していることなどさっき知って「へ〜」って思っていたところ)
とはいえあまりにもフォローしていないとなぁと思い、久しぶりに「日経ニュース」と「10秒で読む日経」を過去数日分だけちょっと読んでみました。
ちなみに「10秒で読む日経」は 「10秒で読む日経!視点が変わると仕事と投資のネタになる」 というヘッドラインがついているように最終的なメッセージはいつも同じで「しっかり情報集種して自己資産運用/管理をしっかりしましょう」といったもの。
筆者の方が取り上げるテーマや視点に面白いものが多く購読を続けている。
そのメルマガの11月2日のものがシャープの件でした。 (メルマガNo.2502)筆者は主要記事の見出しを海外メディアと国内メディアで比較した上で読み手のシャープという企業に対して感じる感情がそれぞれどのように異なるか、について考察。
Sharp admits 'material doubt' on survival - Financial Times 11月2日
Sharp Says It Faces 'Material Doubt' on Survival Businessweek 11月2日
Sharp issues survival warning as it forecasts huge loss BBC News 11月2日
Sharp Says Its Future Is at Risk WallStreet Journal 11月2日
シャープ:中小型液晶パネルに再建託す 2期連続巨額赤字 毎日新聞 11月2日
シャープ、過去最大4500億円の赤字=ソニーは売上高を下方修正-今期 時事通信 11月2日
シャープ中間決算は3875億円の最終赤字 通期赤字は4500億円に ともに過去最悪 産経新聞 11月2日
シャープ赤字、最悪更新へ 通期4500億円見通し発表 朝日新聞 11月2日
シャープ4500億円の赤字…3月期見通し 読売新聞 11月2日
シャープ最終赤字4500億円 13年3月期 日本経済新聞
こうやって並べられると海外メディアの書き方の悲観度が国内メディアのものと大きく異なることが分かります。
「海外には日本の実情が上手く伝わっていないから大げさだ」と考え 海外のメディアによる悲観的な見方を本気にしない人もいるかもしれません。ただグローバル規模で世界がつながっているこの時代、世界の他の人が自分達をどう捉えているかを知る事は今まで以上に重要になっていると思います。
(メルマガの筆者がいうようにこのような記事を目にした海外の投資家、消費者、取引先、従業員がどう思うか、どういう行動を取るか、そういうことに想像力を働かすためにも情報が今どのように世界を駆け巡っているかを知る事は重要だと思います。)
また、色々な情報に触れることは「大きな動き・波」のサインを捉える上でも重要だと個人的に思っています。
JALの上方修正の記事が出ていましたが、自分が証券会社で勤務していた時代、JALの数値&外部環境の状況が経営破綻の可能性を語っていたにも関わらずそれを理解しようとしなかった投資家、頭で分かっていても行動(損切り)できなかった投資家がいたなぁと思い出しました。
結局あっというまにJALは2010年1月に経営破綻になりましたが、今年上旬に起きたエルピーダもそうです。
今の時代「まさか」という事も普通に起こることが多くなっています。とはいえ多くの物事は「いきなり起きた」ことはなく、色々なところにサインが蓄積しているものだと思います。将来オロオロすることがないように、ゆったりとこの変化に富む今の環境を楽しめるように、アップデートを続けることは大切だなと個人的には思っています。
オススメの書籍「こうして世界は誤解する」(英治出版)