Tokyo New Cinemaとの出会い(今年もボストン国際映画祭で入選)
今年もボストン国際映画祭で入選
(2014年2月追記)今日「『Calling』に引き続き、Tokyo New Cinemaの『雨粒の小さな歴史』が今年もボストン国際映画祭で入選致しました!」という元気いっぱいのメッセージを友人にもらいました。そういえばもう昨年のボストンテロ/その直後の映画祭から1年弱経つのだなぁ、と思いながら彼らのことを思い出しました。
去年のボストン国際映画祭で初めて知りました
(以下は2013年4月29日書いたエントリ-です)すでに1週間以上の前の話ですが、Tokyo New Cinemaという自主制作映画団体との出会いがありました。
友人が同団体の会長をしていて、彼が熱い想いを持っていたのは以前から知っていたのですが、彼が3月半ばに「ボストン国際映画祭で入選し、現地での上演が決定した」ということと「日本の自主制作映画が入選できたのは異例の事」ということを教えてくれたことをきっかけに、4月20日(土)の上映会に行くことを決めました。
そもそも後で知ったのですがこのボストン国際映画祭Boston International Film Festival (BIFF)、毎年ボストンで10日間開催されている催しもので今年は第11回目でした。BIFFのミッションの一つとして「a rare opportunity to promote dialogue between filmmakers and the audience in an intimate setting」とHPに記載があります。私達が観に行った日も3つの入選作の上映時間の間の時間にも、それぞれの作品制作に携わった方々と観客との「直接対話」の時間が設けられていました。
今年は世界中から約2600もの作品の応募があり、その中から約100の長編と短編が選ばれ、入選作が10日間ボストン内の大きな映画館で上映されていたということのようです。(テロの影響で全て上映できたかは分からないのですが)
Tokyo New Cinemaの作品の上映日は折しもボストン爆破テロ犯人追跡劇でボストンの町が閉鎖された次の日。前夜21時半に犯人が逮捕されるまで「明日は映画祭あるのだろうか」という不安があったのですが(関連エントリー)、寝る前に「上映会あります」の報。安全面の懸念から上映会に行くのを辞めた人もいたようですが私は友達と久々の外出を楽しむために映画館に向かいました。
当日はTokyo New Cinemaの作品を含めた三つが上映。上映順は①Machine Head(12分)アニメーション(公式サイト)②Graceland Girls(28分)ドキュメンタリー(公式サイト)そして③Calling(50分)短編映画(Tokyo New Cinemaの今までの全9作品一覧)※この作品はTokyo New Cinemaの第5作目の映画(2012年3月公開)
Machine Headは「不気味」「すごい!」「え?どういう意味?」というなんだか不思議な印象が後に残る作品(公式サイトにtrailerがあります)、Graceland Girlsは「発展途上国での女子教育」「家族の絆」という自分のツボが刺激されるテーマ&描写&ストーリーだったので見た後にツーンとなってしまう作品、Callingは「日本らしい」「丁寧」「こういうテーマを深堀りするのか」という印象が残るものでした。(不勉強だったことが恥ずかしいのですが、同団体のHPに「『生』へ鋭く切り込む視点を根底に持ち、壊れそうになりながらも力強く戦い続ける人間の姿を描く作風」があり、まさにその通りと今は感じています)
上映後はTokyo New Cinemaのメンバーで会場入りしていた監督の中川龍太郎さんと主演男優の藤村駿さんからのご挨拶がありました。実は今日友人から聞いて知ったのですがなんと二人は23歳!!その二人が(今思えば渡米直後のテロ事件でとてもお疲れであったと思うのに)事前に準備されてきたスピーチを英語で一生懸命伝えている姿が印象的でした。二人とも「ボストン国際映画祭に来れたこと、上映できたこと」がどれだけ自分達にとってかけがえのない経験で幸せなことだ、ということをストレートな英語で一生懸命一言一言話していました。(そのときの写真がFacebook Pageに載っています)
そして、その上映会の次の日(10日間の映画祭の最終日)に以下の賞の受賞作が発表されました。
■Feature Film Awards
- Best Picture
- Best Story Line
- Best Director
- Best Actor
- Best Actress
- Best Cinematography
- Special Recognition 4作
■Short Film Awards(短編)
- Best Picture
- Best Story Line
- Best Cinematography(撮影技術賞)
- Best Actress
- Best Director
- Special Recognition 4作
■Documentary Awards
- Best Documentary
- Best Cinematography
- Best Content
- Special Recognition 4作
■Animation Award
- Best Animated film
■Experimental Film Award
- Best Experimental picture
Callingは上記Best Cinematography受賞★16種あった「Best〜」賞の中で選ばれている「Calling」!(ちなみにBest Animationは当日見たMachine Headが受賞)
実は後日Google で検索してみたけれどもこの中川さんという監督、Tokyo New Cinemaという団体、結構すごい人達だった・・(藤村さんはとてもイケメン)そんな凄い方達を身近に見る機会を得、彼らがあんなに感激していたボストン国際映画祭参加という体験を一瞬でも共有できたことは本当にラッキーだったな、自分。と思いました。彼らの今後の更なる活躍を心から応援したいと思っています。・・・・それにしても凄い。
(2014年2月追記)
彼らはCampfireでクラウドファンディングのプロジェクト立ち上げているようです▷「日本の若手を世界の映画祭へ!注目の新作、国際映画祭応募プロジェクト」
P.S. ちなみに入賞はならずですが「Graceland Girls」もぜひ多くの人に見てほしいと思う作品の一つです。ボストンのEmerson Collegeの生徒の卒業制作の作品ですがケニヤでの女の子達の教育の現実と夢と努力を追ったものです。彼女達の生の声に心を打たれます。教育という彼女達の人生に残されている希望の光に対する彼女達の期待と真剣さ。自分達の両親の期待。「教育を受ける機会を得るということが空気のように当たり前の環境」に産まれた自分。彼女達の姿を見ながら多くの事を感じ、考えさせられました。