出願書類で聞かれたこと
以前、twitterで呟いたこんなこと。
久々に履歴書を更新してみようと同僚とプレッシャーをかけ合って書いてみた。いつも思うけれど、英文履歴書を書くという作業はとても為になるエクササイズ。社会人になったら二年に一度、できれば毎年やるべきだな、と改めて思う。 — Tomoko Matsukawa / 松川 倫子 (@Mokomoko924) April 16, 2019
近々転職する予定がなかったとしても、定期的にlinkedinや履歴書を更新するという、意義のある活動。日々の "doing doing" モードを離れ、一旦立ち止まり、自分が歩んできた道であるとか、そこで得た学びや自分が築いたもの・生み出したインパクトなどを振り返る時間の確保。
履歴書・linkedinの更新以外にそういう時間が生まれるのは、何らかのプログラムへ出願書類を準備しているとき。アメリカの大学や大学院出願のときに聞かれる「statement of purpose」エッセイを書こうとしているときとか、まさにそれ。
二週間前に「そうだ、これに応募してみよう」と思った The Coaching Fellowship (https://www.tcfs.org/)。そのプログラムへの出願プロセスがまさのそんな感じの「重要なセルフリフレクションの連続」で。そこで聞かれた問いがとても良いものだったので、このエントリーに残しておこうかと。
以下、印象に残った設問の一部抜粋。
Describe the most important way you have positively impacted the world? 生み出したインパクト
What is the nature of your current work? 今の仕事の内容、どのくらいの期間関わっているのか
What are your aspirations and goals to further increase your impact in the world? 更なるインパクトを生み出すために自分の掲げているゴールや目指す姿はなにか。
How my work will solve the problem 今の仕事はどのような形で(社会の)課題解決につながっているのか。なぜその仕事が大事なことだと思うのか。今後の展望など
If a friend were to describe your impact now and your potential beyond in up to three sentences, what would she/he say? もし友人があなたが(社会・周囲に対して)生み出しているインパクトや今後生み出すことのできる可能性に対して言及しているとしたら何と言っているか
What do you want to work with a coach, and how do you think this can help? 自分にコーチがついたとしたらどのような自己成長課題に取り組みたいか
What is currently holding you back or getting in your way? なぜそれらの課題が現在存在するのか。変わるのがどう難しいのか。
あとは「〜の時のエピソードを説明せよ」問題たち。
Describe a time when you received constructive feedback. What was the situation and what did you do as a result? 建設的なフィードバックを他者から得た時、それを受けてどういう行動をとったか
Describe a time when you had to demonstrate commitment and perseverance, even though it was difficult to keep going. What kept you committed and helped you to persevere? 前に進み続けるのが困難な状況下でコミットメントや粘り強さを維持し続けることができたとき、なぜ続けられたか・どう続けたか
Describe a time when you used a mistake as an opportunity to learn and grow. What did you do differently going forward? 失敗を成長の糧と捉え、前に進んだとき
Describe a time when you went out of your comfort zone to learn something new or accomplish a goal. What did you learn about yourself? チャレンジに飛び込んで行き何か新しいことを学んだり、何かを達成したとき。そこで学んだ自分についての気づき
Describe the process you went through to determine that The Coaching Fellowship (the program you are applying to) is right for you in helping you achieve your goals and passions. How did you determine it is what you need now to help you achieve your goals and passions? なぜ今、このプログラムだと思うのか
最後に個人的にこれが一番難しかったpassion質問(これはビデオで2分以内)
What are you passionate about, why, and what have you done to pursue those passions? あなたがワクワクすること・真剣に取り組んでいること・大切にしていることは何ですか、それはなぜですか、そしてそれにコミットし続けている・実現を求め続けている過程で自分がしてきたことはなんですか?
以上、The Coaching Fellowship出願書類完成の過程で色々考えさせられた良質の振り返り問いシリーズでした。
(おまけの呟き)
ビデオのやつは自然になかなかできなくて、おそらく50回は取り直し。自分の考えをまとめるのにも相当時間がかかって、今このエントリーを書きながら、ふと、語学的な話もあるのかもしれない、と思ったり。
"I am passionate about"に対応するシンプルな日本語フレーズってないのだるうか。
例えば英語でI am passionate about climate change、という言い回しがあった場合、それを単に「ワクワク」と置き換えるとニュアンスがちょっと変だし。
といってI am passionate about creating music、という言い回しの場合は、日本語では「好き」「ワクワクする」「ライフワークだ」「生きがい」というフレーズに置き換えても自然に通じる。
そして、I am passionate about equal human righs です、を日本語で捉えてみると、人権問題に「真剣に取り組み」その前提として平等な人権を「大切にしていること」の両方を含む気もしないでもない。
なんとなく、英語のPassionate aboutはWhy/What/How/about Whoなど、色々使える便利な万能フレーズである一方で、日本語的にはそんな万能フレーズはない、ということが見えてくる。直訳の「〜に情熱を」が自然に使える状況は私たち日本人の生活にそうしょっちゅうあるとも思えない。万能フレーズ(英語版)に対応するためには複数の言い回し(日本語版)の準備が必要で、それぞれニュアンスだったりTPOとかが微妙に違ったりする。
だからpassion問いかけ系は、日本語脳と英語脳を行ったり来たりする人間としてはちょっと取り扱いが難しい。特にこれ、自分がコーチとして日本語スピーカーのクライアントにpassion系の問いを立てるときに注意を要するポイントで。それはまた、別のエントリーのネタとして深掘りできればと。
ま、とりあえずたまにはこういう振り返りも重要だね、という話。
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