AcumenというNPOと私、募集ポジションなど

★以下のエントリーは2013年2月に投稿したものです
 当時Acumenが募集していたポジションの宣伝のために
 書いた内容でした。
   2013年4月にAcumen FundはAcumenと名称変更し、
 ロゴを含め色々な変更をしていますが2月に書いたものは
 ほとんどAcumen Fundのままに残しています。
   ちなみに大きな節目にそのような意思決定をした背景はこちら
★最後に今回の追記部分があります
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2013年2月1日投稿内容inボストン

Acumen Fundとは、自分とAcumen

私が証券会社を離れて得た学びの一つは、あの世界で使っていた考え方やスキルは、他の世界で役立つものが多いということ。

一つ前に書いた「デザインxビジネス」のカンファレンスでもそうですが、「ビジネス」の世界の人が他の世界の人とコラボレーションしていくことで実現可能になることは本当にたくさんあると思っています。(いつか将来は「世界」のカテゴリーすら無意味になると期待しますが、今は多くの人の中でまだまだ存在している考え方だと思います)

その「ビジネス」の考え方を世界の貧困問題への解決法に応用させる、という動きの先駆者の一つであったAcumen Fund。最近は似たようなアイディアを持ったSocial Venture Capital達とまとめられることも多くなりましたが、この考え方の重要性をAcumen Fundは11年前の発足時からずっと提唱していました。

同団体はジャクリーンという一人の女性が11年前にアメリカで立ち上げたものですが、簡単に言うと「世界の貧困問題に対する新しい解決法を見出し、その実践のサポート、アイディアの拡散に努めている」団体です。

これは新しいロゴ
(2013年4月から)
unfinished "A"ということで
我々の仕事はまだ終わってない、
という意を含む


自分はもともと国際開発とか発展途上国支援とか貧困問題などから遠い世界で人生の大半を過ごしてきたので、「Social Enterprise」と言われるこの世界の中に自分が入ることに一種のニセモノ感みたいなものを抱いていたことがあります。

周りの友人で貧困問題に真っ正面から向き合ってぶつかっていく人達が複数人いるのですが、彼らをまぶしくも、完全にresonateできない状態で見ていた時期があります。

次第に年齢を重ねるにつれ「他人と完全にresonateなんてできなくて当たり前」「人は色々な背景や自己体験に基づいてそれぞれの心のドライバーを持つ」のだ、と腹落ちし、自分は自分のcomfortableな形でそういった課題に関わりたいと思うようになりました。

貧困問題という課題をどこか自分の関わる世界のどこかに置いておきたかった理由は、きっと、自分が「自分が体験したことないことを想像できない大人にはなりたくない」と思っていたからだと思います。(あまり誇れるモチベーションでなくて恥ずかしいのですが)

でも、そんな出発点にいた自分ですが、実際に関わりを持つようになり・・・、現地の人達の人生が変わるようなエピソードに触れるたびに心が打たれるようになり・・・、こういう取り組みの社会的意義のようなものを実感するようになり・・・、自分の活動がそのお手伝いになれば、と思うようになってきました。

私はこういう形で少しづつ、次第に、自分の心に自然な形で染まって行くのが身に合っているようです。他人のトレンドに流されたり、周囲の期待に沿わなきゃという焦りから自分でプッシュすると大体どっかで無理が出ます、30歳も残りわずかになってようやくそういうことが見え始めたような気がしています。

で、どこが自分にとって「Comfortableな形」であったかというと、ビジネスや金融色が出会った当初は結構色濃かったところ。Patient(忍耐強い)Capital(資本)を貧困問題の解決をミッションに掲げ、実際に世界にインパクトを与える可能性の高いビジネスに投資するというモデルがまず新鮮に映りました。

聖書の有名な話に「貧しい人に食べ物を施すのではなく、魚の釣り方を教える (そのほうが長期的にその人のためになるから)」というものがありますが、Acumen Fundのやろうとしていることはそれをもう一歩踏み込んでいて、「貧しい人」一人に対して手法を教えるのではなく「一人でも多くの今貧しい人達」にインパクトを与えることを可能にする、ビジネスモデルをつくり、それを実際に動かしている人達に対して「支援」を提供する、という形を取っています。

初めてAcumenの思想に出会った時は証券会社を卒業したてだったので「ビジネスに投資する」にあまり具体的なイメージも分かっていないまま惹かれた訳ですが、人材育成に携わるグロービスで働き始めた後は次第に「ビジネスに投資し、そのビジネスの永続的な成長を実現するためにリーダーに投資する」の部分により共感するようになりました。

Acumen Fundのポートフォリオは
Health, Housing, Energy, Water, Agriculture, Educationの
6分野、地域はアフリカ東部、アフリカ西部、パキスタン、インドです。
具体的な案件内容はHPに載っています.

Acumen Fundが今募集しているポジション達

★2013年2月時点のものです
で、そのAcumen Fundが以下のポジションで採用をしています
すべて日本国外です。興味がある方はぜひチャレンジを!

Summer Associate – Portfolio – New York (Deadline: February 3)
Summer Associate – Communications – New York (Deadline: February 6)
Summer Associate – Portfolio – East Africa (Deadline: February 15)
Summer Associate – Portfolio – West Africa (Deadline: March 1)
Analyst (2-year program) – New York (Deadline: February 10)
Business Development intern – London (Deadline: February 12)

Acumenからの学び - 取り組みや思想を拡散するには

★一部今回追記です
Acumenは「貧困問題の新しい解決方法」という思想を拡散するためのコミュニティづくりやリーダーシップ開発にもとても力を入れているのですが、冒頭に書いた今年始めのrebranding(ミッションのrefining)でその傾向が更に色濃くなっています。

ちなみに私は各国にあるChapterの東京チャプターリーダーメンバーの一人ですが(渡米してから東京チャプターにはマーケティングと本部との橋渡しという形でしか関われていませんが、汗)世界中に現時点で23ある各チャプターリーダーは皆ボランティアで
フルタイムの仕事がある人ばかりです。(参考:東京チャプターの FacebookTwitter 

このチャプターという仕組みやこのブログの最後に共有するフェローという仕組み、そして直近始まったOnline Leadership Academyという独自のオンラインと対面を混ぜたハイブリッド型のコースは全てこの、"spreading idea"を実現するためのドライバーとなっています)

そんなAcumenの仕組みを見て思ったこと:TEDも、MITのScratch(過去のブログ)も、Sesame Workshop(過去のブログ)もそうですが「素晴らしいアイディアや取り組みは規模化(より多くの人の共感を得て、その人達がアイディアを取り組みを周囲に広げてくれるようになる)に成功してこそ、本当に多くの人の人生にtouchすることができ、本来そのイノベーションが目指していたもの、ミッションの達成に一歩近づく」のだということ。(TEDxの仕組みやScratchEdの仕組み、Sesame Workshopの世界各国との共同制作の仕組みのことを重いました)

Acumenのイベントに集まる人やチャプターに関わっている人も皆素敵な人で、コミュニティとして強いものがグローバルレベルで少しづつ育っているのを感じます。毎年11月にあるチャプターリーダー向けリトリートも今年で三回目。今回は企画にも関わらせてもらっているので楽しみです。

そんな団体に関わりたい、Acumenの考え方に共感する、そう感じた方はぜひ募集がかかっていたポジションをチェックしてみてください。
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後日談(2013年9月現在)

結局2月〆切だった上記のニューヨークのポートフォリオチームに自分も応募したのですが結果は不採用。しかし(!)、その四ヶ月後、ニューヨークのリーダーシップチーム内でAcumen版コース提供(+Acumen Leadership Academy)プロジェクトに取り組み始めていたマネージャーに「教育学部を卒業するのだけれど、何か夏のお仕事をいただけないか」とダメもとで聞いてみたら短期でお仕事をいただけることに。(7月に書いた関連エントリー) そしてその仕事が6週間契約▷2週間追加▷1ヶ月追加となり、現在に至ります。大変ありがたいことです。

そのアキュメンは人材募集をホームページ やLinkedInで掲載しています。もっとがっつり現場で学び、直接的なインパクトを出したい!という方は毎年募集しているグローバルフェローという道もあります。

2013年2014年も日本人の女性がグローバルフェローとして選ばれ、アキュメンの投資先に派遣されてます。おそらく過去もう数人も日本人フェローがいたと理解しています。またAcumen Leadership Essentialsというオンラインコースも9月25日から始まります。(詳細はこちら

JICAやIFCや国連などを含め、そういう国際的な組織の世界は自分がほとんど知らなかった世界なのですが、実は日本人がたくさん外で活躍しているのだなーというのもAcumenに関わり始めてから得た気付きの一つです。

グローバルフェローは投資先の現地のベンチャーに1年弱べったりと張り付き、一緒にビジネスを軌道にのせることをリード/サポートしていきます。今日ランチタイムにガーナに行ってた2013年フェローの田代さんの話を直接聞く機会がありました。やっぱり現地に行ってhands onでこういう課題に取り組んでいる人達はこれまた凄いなぁ、と刺激をもらいました。

凄いなぁと思いつつ、自分は自分ができるところから、自分の素直なペースで引き続きのんびりいきます。たまには過去のエントリーの振り返りっていいですね。寝不足にはなりますが。

関連エントリー:
「人のために何かをしたい」という気持ちが『悪』につながるとき


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