「認定コーチ」の「認定」について

以前書いたように、今年からコーチングの勉強・実践を始めました。

次第にその分野に詳しくなってくると、その世界に存在する様々な団体や資格のことをもう少し知っておかないとな、と感じてきたので、今回改めて整理することに。

ここで整理したこと:

  • 「Global Coaching & Mentoring Alliance」という共同体の発足

  • 認定コーチ養成プログラム

Global Coaching & Mentoring Alliance(GCMA)

業界として確立されてからまた数十年と比較的歴史が浅いコーチングの世界。

比較的大きな動きがあった2012年、それまでコーチングの分野でリーダー的な存在であった以下の三つの団体が「Global Coaching & Mentoring Alliance」という共同体の発足を発表します。

一つ目は International Coach Federation (ICF) 。1995年発足、米国が拠点、140ヶ国以上にメンバーを有す。二つ目はEuropean Mentoring and Coaching Council (EMCC) 。2002年発足、英国が拠点、欧州や汎アジアを中心としたメンバーを有す。そして三つ目。Association for Coaching (AC) これは英国が拠点の団体

そんな三つが共同体として立ち上げたGCMA。発足のタイミングのプレスリリース "Partnership Leads to Creation of the Global Coaching & Mentoring Alliance -Three Coaching Organizations Team up to Advance Coaching" には「コーチング・メンタリング」という、成長期にある業界の発展に向けてもっと一緒にサポートし合うというトーンが伝わってきます。(2012年11月)

"As a collective of global professional coaching and mentoring bodies we seek to build alliances, a cooperative spirit, purpose and initiatives where we can partner to make a difference to the emerging profession and society as a whole." -  PR Newswire 2012年11月 

ちなみに、GCMAはこれらの加盟団体以外による参加も将来的にはあり、と可能性を匂わせていますが2019年現時点ではこの三つのみ。イメージとしては航空会社やマイレージの仕組みを考えた時に、GCMAは複数の航空会社が参加している「Star Alliance」的な位置付けで、ICFは「ANA」という感じ。連携はしているけれど、それぞれ色々と特徴・ルールはある、というように。

認定コーチ養成プログラム

一般的に、認定コーチと言われている人は、この3つの団体のどれかに認定・指定されているコーチ養成トレーニングへの参加や求められている基準を満たしていることを証明できている人。

とは言われていも、「認定・指定されているコーチ養成トレーニング」とは?という感じだと思うので、養成プログラムにどういうところがあるかもここに整理しておきます。

ちなみにICFにはTraining Program Search Service (TPSS)というプログラム提供者検索ページがあり、結構便利です。

アメリカニューヨーク州で検索したら、私の通っている Co-Active(元CTI)を含め50ものプログラム提供者がでてきました。 私の元同僚でイギリスにいる友人はTHIRDSPACEというところやNew Ventures West で認定を受けていました。

また、日本・日本語で検索すると現時点では19ほどの検索結果が。 (例:コーチ・エィ アカデミアNLP-JAPANラーニングセンターTCAコーチングカレッジ一般社団法人ジャパン・コーチ・ラーニング一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート(略称 MiLI)ーちなみにCTIジャパンもあります)

ICFは世界各都市にチャーター・チャプターというものも存在していて、ICF Japanのページからもプログラム提供者を一覧することが可能です。日本語で情報収集したいときは良い気がします。

それぞれの認定資格に存在する「ランク」

私の周囲で話題になっているICFの認定資格にはMCC、PCC、ACCと3ランクあり(MCCが最上級)、ICF Japanのページに掲載されているそれぞれの資格をもつコーチの実名リストからも、MCCの難関ぶりは伝わってきます。

ICFは

  • アソシエイト認定コーチ Associate Certified Coach(ACC)

  • プロフェショナル認定コーチ Professional Certified Coach (PCC)

  • マスター認定コーチ Master Certified Coach(MCC)

EMCCは

  • ファウンデーション Foundation

  • プラクティショナー Practitioner

  • シニア・プラクティショナー Senior Practitioner

  • マスター・プラクティショナー Master Practitioner

ACでは

  • ファウンデーションコーチ Foundation Coach

  • コーチ Coach

  • プロフェショナルコーチ Professional Coach

  • マスターコーチ Master Coach

2015年時点のものですが、この3団体のそれぞれの認定資格の必要要綱がどう異なるかをまとめた資料もこちらに発見。

例えばICFの定めるPCCに必要なコーチング経験は500時間、一方でICFのMCCに必要なコーチング経験は2500時間、といったように一覧で見える化されています。

補足:コーチングの定義

最後に、そのメイン3団体が参加したGCMAのコーチングの定義を。

“Coaching and mentoring are activities within the area of professional and personal development with focus on individuals and teams and relying on the client’s own resources to help them to see and test alternative ways for improvement of competence, decision making and enhancement of quality of life. Thus, a professional coach/mentor can be described as an expert in establishing a relationship with people in a series of conversations with the purpose of serving the clients to improve their performance or enhance their personal development or both, choosing their own goals and ways of doing it.

ポイントは答えを与えるコンサルタントでもなく、自分の体験を元にした助言を与えるアドバイザーでもなく、あくまでも相手の中(頭・心)からその人にあった「答え」や「道しるべ」を見出すプロセスを手伝うということ。

ちなみにソーシャルセクターの女性リーダー対象にした「Coaching Fellowship」たるものがあるのですがそこでの定義にこういうのもあって参考になりました。

https://www.tcfs.org/program/

https://www.tcfs.org/program/ "A coach is NOT the same as a mentor, consultant, or career counselor."

日本語で解説されていたのはこちら。

分かりやすいね 😊 ▶︎#コーチング とは何か図説してみた|こばかな @kobaka7|note(ノート) https://t.co/OMUmf7MP7L — Tomoko Matsukawa / 松川 倫子 (@Mokomoko924) July 28, 2019

コンサルやアドバイザーモードで色々やってきた自分は、意識して引き出さないとなれないモードだったりします。

コーチングについてはまだまだ書きたいことがいっぱいですが、今回はこの辺で。

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