「捉え方によって事実が変わる」

先日、自分が運営に関わっているJWNというコミュニティのイベントに、ブロードウェイ俳優で大活躍されている由水南さんに来ていただいた。

JWNは、

  • ニューヨークで働いている"日本人"(日本語を話す)女性にとって

  • 世代・業界横断で相互にゆるく繋がったり、

  • 共通項を持つ(日本・日本文化・日本語を身近に感じている+ニューヨークで働いている・学んでいる)メンバーが集まるコミュニティとしてホッとする、または視野が広がるきっかけとなる場所になれば、

ということを意識しながら運営メンバー4人と続けている、私のボランティア活動の一つ。

関連エントリー:JWN(日本人女性)仲間 in NY

誰でも参加することはできるけれども、別に公に宣伝しているわけではないので、参加している・メーリングリスト(ML)にいる人の紹介で少しづつ知っている人が増えて・・、というような集まり。JWNが活動してきた中で、イベントによく来てくださってきた方がニューヨークを離れたりすることも少なくないし、MLにはいるけれどイベントには参加したことない人など色々いる。メーリングリスト自体はいつの間にか200人以上になって、「ニューヨーク(または、そこにいる人)となんらかの縁のある日本人女性のコミュニティ」の一つとして存在している。

そんなJWNのメンバーの1人が紹介してくれた南さん(Forbes Japanの記事:周囲に埋没するな。日本人女優がブロードウェイで成功した理由)(ご自身のwebsite)。今回はそんな南さんとの関わりを通じて感じたことまとめている。

南さんは「日本生まれ・日本育ちのご自身が、有色人種・non native English speakerの女性が活躍することが難しい」と言われているブロードウェイで夢を実現した方。そうなるまでの、決して短くはない道のりを通じて学んだことをJWNのメンバーに共有いただくために、ワークショップを実施していただいた。

ベースにしていただいたのは、南さんがご自身のライフプロジェクトとして何年も続けたられている YUプロジェクトで行われているワークのごく一部。

このYUプロジェクトは

"より多くの方がご自身の“無限大”の可能性を体感するきっかけをつくり、ポジティブなエネルギーが繋がる喜びの風を社会全体に吹かせたい" - https://www.yu-project.org/より

という南さんのご本人の強い気持ちが込められている素敵な取り組みだ。

instagramやyoutubeでも発信をされている南さんは、打ち合わせの時から眩しいほどの明るい前向きなオーラを輝かせていて、一緒にいるだけで、とても前向きな気持ちにさせられる、人を惹きつける力を持った方だった。

そんな南さんのセッションで一番印象に残ったのは、どんなに元気で明るく底知れずのパワーがある人でも、いや、むしろ、そうだからこそ、その裏には多大の努力や、立ち止まった経験や、自分のやり方を振り返り意識的に変えらざるを得なかったという強烈な自己体験があるのだ、ということだった。

だからこその言葉の重み・説得力だと感じた。何が話されてたかというより、誰がどういうストーリーの文脈(コンテキスト)でそれらの言葉が紡ぎ出されたか、の大切さ。

「暗い時こそ意識して上を見る」

「前例がないということを限度にしているのは自分」

「限度だと自分が思っているのを受け入れるのは自分の選択である」

「自分の心の声に静かに耳を傾けることの大切さ」

「頭で考える前に動く」

「いきなりすごいことをするのではなく、毎日の積み上げから」

「慣れた領域(コンフォートゾーン)から踏み出す」

「ちょっと『うっ』となることをすることを一歩でも、半歩でも、0.01歩でもする」

88度目のオーディションでようやく初めての役を手に入れることができた、というご経験の話をされていたときに、ご自身は合格に至る道のりを「87回体験することができた学びの積み重ね」と捉えていたけれども、人によっては「87回連続の失敗体験」捉える人もいるんだと知った、とおっしゃっていた。そのとき参加者の1人が「捉え方によって事実が変わる」というフレーズをzoomのチャットで書かれていた。

 

この捉え方の違いはどこからくるのだろうか。

当日私は、南さんという方の生き方や考え方に触れながら、最近同僚に教えてもらって気になっていた「心理的資本(Psychological Capital - PsyCap (サイキャップと読む)」という概念のことを考えていた。経済的資本、人的資本、社会関係資本、そして心理的資本。

南さんは意識的な心のケアと勇気ある行動の積み重ねでご自身の心理的資本を開拓し蓄えてきたんだろうな、と。

心理的資本とは
Previous
Previous

「生産性のカルト」とスポンジ理論

Next
Next

「共感疲労」とセルフマネジメント