40近くの「21世紀型スキル」フレームワークをまとめたサイト
edamame talkをやっているなかで、また、個人的にコーチングを学んだり・コーチとして他者と関わっている中で最近思うこと。それは20代、30代、40代で私たちが直面したりする悩みを乗り越える時に大事になるスキルの多くは巷で学校教育の文脈で言われている「21世紀型スキル」ってものとの重なりが多いのだな、ということ。
メディアリテラシー、とか、論理的思考とか、グリットとか、クリエイティビティとかメタ認知力とか、助けを求める力とか。それはそれはたくさんあるスキルの数々。
重なりがあるのは、「今の時代を生き抜こうとしている大人が必要としている」▶︎「大人たちへのトレーニングのみならず、未来の世代に早い段階で届ける必要がある」という認識が広まる▶︎「義務教育の現場でもより注力していく流れになる」ということが起きていると考えれば当たり前といえば当たり前なのだろうけれど。大人と接している過程で、本来自分の専門からは少し離れる子供の学び、未来の担い手たちに今届けるべき学びの内容みたいのが見えてくるのが面白い。
ハーバードの教育学大学院時代でたくさん聞いたintellectual skillのみならずsocial emotional skill(社会性・情動スキル)も大事なんです、という話と、過去10年近く「リーダー」の育成をする仕事に関わってきた中で聞いたtechnical skillのみならずinter/intra-personal skill(他者との関わり方、自己との向き合い方に関するスキル)が大事なんです、という話、両方を思い出す。
大学院に入って教育学の世界に初めて入った時こそ、綺麗に整理されたフレームワークを見るたびに「わあ」とワクワクしたものの、結局似たようなことを色々な人が少しいじって「じゃん!」と見せてるだけじゃないか・・と気づいてからはそこまでフレームワークとの出会いでそこまで感激することはなくなった。
もちろんHowの議論に行く前に、Whatをしっかり言語化するのが大事なのはわかってはいたのだけれど。とにかくフレームワークや定義づけの仕方が発表している団体・国によってバラバラで、too much information状態。
例えばUNICEFのMENA Life Skills and Citizen Educationのフレームワークはこんな感じ。
それはそれで綺麗なので、ほほーーと思わされるのだけれども、その後レゴ財団が出している彼らのSkills for Holistic Developmentを見せられると、それもそれでいいような気にさせられる。
そこで今回発見して感動したのがこのExplore SELというサイト。http://exploresel.gse.harvard.edu/
これは、40近くのスキルフレームワーク(対象年齢は様々)を整理してくれたもの。
これからの時代に大切だと色々なところが提示しているスキルを以下の6つに大きくわけ、世の中に出回っている様々なフレームワークがそれぞれこの6つに対してどのような比重を置いているかを比較してている。(例えば相対的にValuesに重きを置いているフレームワークはDevelopment Assets (12-18才児)やThe Five Cs Model of Positive Youth Developmentである、といったようにランキングづけをすることもできたりする)。
そしてこのサイトではフレームワーク間のつながりを見ることができる。例えば前述のLEGOのフレームワークとOECDのFramework for Social and Emotional Skillsをマッピングするとこんな感じに。
ここでは私がIdentityに属する自己肯定感というスキルを選択。すると横にあるドーナツ型のグラフでそれぞれどのフレームワークがこのスキルを含めているか、どのような呼び名なのか、というのが見えるようになっている。
例えばtolerance(忍耐力)という単語を検索すると
本当面白い。よく整理されている。
こうやって40近く存在する様々なフレームワークをメタ分析・可視化してくれたことの価値はおそらく多くの教育関係者にとって小さくない、そんな気がしている。自分たちのフォーカスしているエリア以外にどういうものがあるのかを見るきっかけにもなるし、自分たちの考えていることと似たようなフレームワークを使っているのはどこかを見つけるきっかけにもなる。
また細かく各スキルの定義を言語化してくれているので、少なくとも、教育関係者が日々一生懸命社会に届けようとしている学びの場のゴールイメージをつくる時とか、インパクトの測定について考え始める時、カリキュラムを更新する時など、色々役立つことになるのでは、と感じたりする。
サイトのリリース文にも以下のように書いてあt。
今後もさらに更新されコンテンツが加わっていくようなので楽しみだな、と久々に教育学的な部分の自分がムズムズとさせられた発見だった。
メディアリテラシー、とか、論理的思考とか、グリットとか、クリエイティビティとかメタ認知力とか、助けを求める力とか。それはそれはたくさんあるスキルの数々。
重なりがあるのは、「今の時代を生き抜こうとしている大人が必要としている」▶︎「大人たちへのトレーニングのみならず、未来の世代に早い段階で届ける必要がある」という認識が広まる▶︎「義務教育の現場でもより注力していく流れになる」ということが起きていると考えれば当たり前といえば当たり前なのだろうけれど。大人と接している過程で、本来自分の専門からは少し離れる子供の学び、未来の担い手たちに今届けるべき学びの内容みたいのが見えてくるのが面白い。
ハーバードの教育学大学院時代でたくさん聞いたintellectual skillのみならずsocial emotional skill(社会性・情動スキル)も大事なんです、という話と、過去10年近く「リーダー」の育成をする仕事に関わってきた中で聞いたtechnical skillのみならずinter/intra-personal skill(他者との関わり方、自己との向き合い方に関するスキル)が大事なんです、という話、両方を思い出す。
「21世紀型スキル」の定義は色々
でも、この「これからの時代に大切だね」スキルをうまく整理しようとすると、色々な団体がそれぞれフレームワーク化している、たくさんありすぎ、という事態に直面する。大学院に入って教育学の世界に初めて入った時こそ、綺麗に整理されたフレームワークを見るたびに「わあ」とワクワクしたものの、結局似たようなことを色々な人が少しいじって「じゃん!」と見せてるだけじゃないか・・と気づいてからはそこまでフレームワークとの出会いでそこまで感激することはなくなった。
もちろんHowの議論に行く前に、Whatをしっかり言語化するのが大事なのはわかってはいたのだけれど。とにかくフレームワークや定義づけの仕方が発表している団体・国によってバラバラで、too much information状態。
例えばUNICEFのMENA Life Skills and Citizen Educationのフレームワークはこんな感じ。
それはそれで綺麗なので、ほほーーと思わされるのだけれども、その後レゴ財団が出している彼らのSkills for Holistic Developmentを見せられると、それもそれでいいような気にさせられる。
https://www.legofoundation.com/en/why-play/skills-for-holistic-development/ |
Explore SELというサイト
そこで今回発見して感動したのがこのExplore SELというサイト。http://exploresel.gse.harvard.edu/これは、40近くのスキルフレームワーク(対象年齢は様々)を整理してくれたもの。
これからの時代に大切だと色々なところが提示しているスキルを以下の6つに大きくわけ、世の中に出回っている様々なフレームワークがそれぞれこの6つに対してどのような比重を置いているかを比較してている。(例えば相対的にValuesに重きを置いているフレームワークはDevelopment Assets (12-18才児)やThe Five Cs Model of Positive Youth Developmentである、といったようにランキングづけをすることもできたりする)。
- Cognitive 認知
- Emotion 感情
- Social 他者との関わり合い
- Values 道徳・公民
- Perspective 物事に対する捉え方(楽観性、感謝の気持ち、オープンさ、熱意・パッション)
- Identity 自己理解・目的意識・自己肯定感など(英語だと正確にはSelf-knowledge, Purpose, Self-efficacy & Growth Mindset, and Self-esteem)
フレームワーク間のつながりの可視化
そしてこのサイトではフレームワーク間のつながりを見ることができる。例えば前述のLEGOのフレームワークとOECDのFramework for Social and Emotional Skillsをマッピングするとこんな感じに。http://exploresel.gse.harvard.edu/compare-frameworks/ |
キーワード(スキル)からフレームワークを見つけることも
そして、フレームワークごとに似たようなことを違う単語で言っていることもある、という現状を少しでも私みたいなフレームワーク初心者にわかりやすく紐解くために、こんなページもある。ここでは私がIdentityに属する自己肯定感というスキルを選択。すると横にあるドーナツ型のグラフでそれぞれどのフレームワークがこのスキルを含めているか、どのような呼び名なのか、というのが見えるようになっている。
http://exploresel.gse.harvard.edu/compare-terms/ |
キーワード(スキル)から類似キーワード(スキル)を見つけることも
また、スキルがどのように近い関係にあるかを知ることもできる。例えばtolerance(忍耐力)という単語を検索すると
toleranceとある。その下に関連する概念、とこのようなリストが登場する。
is open to different points of view, values diversity, is appreciative of foreign people and cultures.
http://exploresel.gse.harvard.edu/terms/411/ |
本当面白い。よく整理されている。
このサイトの価値
このサイトを自分がこれからどういう風に使うかはまだわからない。でもframework overloadでばくっと「従来の学びで教えていたスキルよりさらに多いもの」程度に理解していた「21世紀型スキル」というものを少し身近に、より具体的にみせてくれたという点で私にとっては価値大の有益サイトだった。こうやって40近く存在する様々なフレームワークをメタ分析・可視化してくれたことの価値はおそらく多くの教育関係者にとって小さくない、そんな気がしている。自分たちのフォーカスしているエリア以外にどういうものがあるのかを見るきっかけにもなるし、自分たちの考えていることと似たようなフレームワークを使っているのはどこかを見つけるきっかけにもなる。
また細かく各スキルの定義を言語化してくれているので、少なくとも、教育関係者が日々一生懸命社会に届けようとしている学びの場のゴールイメージをつくる時とか、インパクトの測定について考え始める時、カリキュラムを更新する時など、色々役立つことになるのでは、と感じたりする。
サイトのリリース文にも以下のように書いてあt。
The goal is to help educators, organizations, and policymakers identify common ground in SEL (social emotional learning) frameworks — which typically consist of a set of skills or competencies that are often linked to pedagogical or curricular guidelines or standards — and make judgments about what’s distinct about any particular framework. With that knowledge, schools can make more informed and targeted decisions about their approach to social and emotional learning.
今後もさらに更新されコンテンツが加わっていくようなので楽しみだな、と久々に教育学的な部分の自分がムズムズとさせられた発見だった。