Cycle of Transformation(自己変容のサイクル)を生きる・伴走するということ
このブログでも以前紹介した話ではあるけれど、2023年の秋から2024年の春にかけての半年間、「Upbuild」という組織が提供しているコーチングのトレーニングプログラムに参加した。
自分は第二期生として参加したこのプログラム。昨年10月から第三期生のプログラムが始まっていて、昨日、そのクラスにalumni兼サポート役として参加した。
その日のクラスのテーマは「Cycle of Transformation(自己変容のサイクル)」。
いま、自分自身もまさに変容の渦の中にいる(昨年個人事業主になったし、今月第二子を出産したし)。そして、最近、変容のプロセスにどっぷり浸かっている友人たちと関わることも続いている。そんなタイミングにぴったりの復習機会だったので、ここに気づきを整理してみたい。
変容のサイクル:3つのフェーズ
Upbuildで紹介されている変容のフレームワークは、円で表現されていて、それは3つのフェーズで構成されているいる。
Life
Death(死・別れの時期)
New Life(新しい人生)
New Lifeだったものも、時間が経てば「現在のLife」になって、また次のDeathに向かう。
この順にぐるぐる循環していく、サイクルであると学んだ。
Deathというフェーズ
コーチングを受ける機会やリーダーシップ開発の場に参加している人の多くは、LifeからNew Lifeへのトランジションに差し掛かっていることが多い。
自分で変化を求めて足を踏み出してきた人もいれば、どこか居心地の悪さを抱えてここにいる人もいる。まだそこに気づいていない人もいるかもしれない。
そんな人たちと関わる機会が多くなる人向けのUpbuildのプログラムで強調されていることは、「Death」というフェーズがそもそも存在する、ということを受け入れることの大事さと、その時どういうことが起きているのかに対する解像度を高めることや、伴走する人間として意識しておくべきことなどだった。
このフェーズで起こるのは「手放すこと」。lossとgrief。
さよならをいう対象は:
自分を長い間支えてきたけど、もう役目を終えた「古い在り方」たち。
古いアイデンティティや役割、昔の夢、思い込み。”old ways of being, identities, roles, outdated dreams, hopes"
それらに「ありがとう」と言って、成仏させるプロセス、surrender(明け渡すこと)するという体験。
〇〇であるべき、という前提を疑ってみる、であったり、好奇心を持ってあらためて自分自身の物事の見方や信じていることに向き合ってみることが大事になるのだけれど、言うほど簡単なことじゃない。
ロブスターと脆さ
このDeathのフェーズで起きていることを説明するのに、Upbuildの講師が紹介してくれた比喩・イメージがある。
ロブスターは脱皮することで新しい甲羅に生まれ変わるのだという。そして脱皮直後のロブスターはとても脆く、vulnerableな状態にある。だから自ら安全な場所に身を隠して、新しい殻が育つのを待つのだとか。
人間も同じ。
Deathフェーズは、傷つきやすい。外から見えないけど、内側ではものすごくエネルギーを使ってる。
だから、自分をいたわる。守る。
隠れることも時には大事というイメージを持ちやすくなる。そんな説明をしてくれた。
「New Life」に行ったつもりでも
もう一つ重要なのが、このDeathからNew Lifeの狭間では揺り戻しが起きるということだ。完全に抜けたと思ったのに、ふとした瞬間に揺り戻しがくることもある。
でも考えたらそれも自然なこと。なぜならばNew Lifeというのは不慣れな場所だし、見えてきた当初は居心地が悪く、確信が持てないものであるのだから。「やっぱり違う、自分が行こうと思っていたのはここでなかった」とloss & griefのトンネルに戻ることは自然なことなのだ。
同様に、lifeからdeathにさしかかった時も、慣れ親しんだlifeのやっぱり戻る、という揺り戻しも起きるのだという。
それもそうだよね、成長や周囲へのインパクトといった手応え感、既存の価値観や信念に沿った「マイルストーン」を着実に達成している感というフェーズは心地よいものなのだから。
新しい場所に行きたいはずなのに、行った感じがなかなか手に入りずらいと感じるのは、揺り戻しがpart of this cycle of transformationだということに起因する。
だから「前に戻っちゃった」「前に進めていない」「変容が起こっていない」と思わずに、これはpart of the processだと受容できるようなマインドセットになれることがこのサイクルを潜り抜ける上で大事になる。
伴走者の存在・振り返りの問い
と、そんなこんなで、Deathのフェーズって、静かで孤独で、つらい。特に常に成長しなきゃとか生産性高くいなきゃ、みたいな空気で生きている人にとっては特に異質な体験になりうる可能性を持っている。
自分たちの期待値とは裏腹に、「あ、モヤモヤトンネル抜けたかも」と思った後の揺り戻しもある。
だからこそ、一緒にいてくれる仲間やコーチの存在は大きいと私は思っていて。
見守ってくれる人がいるだけで、少しそのchallengingな時期を乗り越えやすくなる。今の状態を承認してくれる人がいるだけで、自分が感じていることはおかしなことじゃないのかも、と信じるきっかけにもなるかもしれない。
残念ながら、周りに誰もいなくても、以下のような問いを意識するだけでも得られる気づきがあるのでは、と思ったりするのだ。問いは前述Upbuildのプログラムで紹介されたものの一部だ。
What is it that is dying? (今、終わろうとしているのは何か?)
What are the old ways of being that no longer serve me?(もはや自分を支えてくれない “古い在り方” は何か?)
What am I ready to let go and release? (私は何を手放す準備ができているだろう?)
(今感じていることに意識を向けた後に)What if there is wisdom in holding on to that feeling?(その感情を手放さないことに、意味があるとしたら?)
What if there is nothing wrong? (今の自分に、何も「問題」がないとしたら?)
人生で何度も通る大小様々な自己変容のサイクル。
自分はDeathフェーズを受容できているだろうか、そのフェーズにいる時どのような時間の過ごし方をしているだろうか。
次に向かうNew Lifeを大切に育てるための、静かな準備期間。
生後1ヶ月に満たない娘を膝に乗せながら、自分は今の時期をどう過ごしたいのか考えながら執筆したエントリー。
参考:
Upbuildのプログラムはオンラインで、英語で、半年行われているもの。毎年10月開講。詳細はこちらから:https://www.upbuild.com/events/upbuild-coaching-training
過去の発信内容より(関係するもの)
#044 - 【まなびあいシリーズ 】Upbuildコーチングトレーニング体験談(ポッドキャストエピソード)
白でもなく黒でもなく(2017年11月)
ポラリティマネジメントと、アウフヘーベンする、と色々。(2023年4月)
「生産性のカルト」とスポンジ理論(2022年9月)