前回書いた「冬期集中講座『Informal Learning for Children』」を通じて色々と発見があったので少しづつアップデートしていきたいと思っています。この2週間自分に多大な影響を与えているSesame Workshopについて。

Sesame Workshopについて発見したこと

まず「そもそも」の話で自分にとって完全にNew!だった気づきをリストアップ:
  • 実はセサミストリートの産みの親であるSesame WorkshopはNPO(非営利団体)
  • 40年前以上前の発足時から子どもの教育へのインパクトをミッションに掲げていた
  • Sesame Workshopが制作するコンテンツは5歳以下の子どもを意識したものが多い
  • アカデミックな研究と制作現場側のコラボの徹底(おそらく世界一)
  • 制作コンテンツは以下にフォーカスされているという点(2013年1月時点)。
    • 1: 健康
    • 2: リテラシー(数字やABCのみならず、幅広い!、最近は米国ではSTEMがブーム)※STEM=Science, Technology, Engineering, MathこれにArtを加えてSTEAMというプログラムも展開され始めています
    • 3: 感情
自分の中では2のイメージが強かったけれど、実は彼ら、1と3の力の入れようも半端ない。3はもちろんポジティブなものも多いけど(自分を知ることや他人との関係を構築するために不可欠なsocialスキルやaffectiveなスキル)親子で会話することが難しいトピックにも積極的に取り組んでいる。例えば「親の死」について(以下のYouTubeはその短縮版)他にも経済的不安、離婚、徴兵などのプロジェクトもあり。



常に時代の変化を意識して進化しつづけるSesame Workshop。テレビの普及度が今ほど高くなかった時代に始まった組織、もちろん時代の変化と共に発信媒体の多角化も続けている。
そしてFormative assessmentといって制作過程にユーザーを巻き込む研究を行い、制作内容に結果を反映させることを重視しているのも特徴。

Sesame Workshopと日本と世界

現在は150カ国に対して何らかの形のセサミストリートのプロダクションが届けられている、うち30カ国に対しては共同制作という形で現地の文化、教育の姿、教育ニーズに会わせた独自のコンテンツを展開中。

日本では長年(70年代から)NHKでアメリカ版のオリジナルを放映。しかし共同制作の話をSesame Workshopが持ちかけたときにNHKが断ったという経緯あり。(なんと!)後に「セサミストリートパートナーズジャパン」という組織が発足、改めてSesame Workshopと共同制作という形でテレビ東京で放映。2004-2007年の間続いたものの、そのあと打ち切り、同組織は解散という経緯あり。(悲しすぎる&知らなかった!)
今は衛星かケーブルかでオリジナルの英語版を見る事ができるはず。Sesame Workshopの人に聞いたら「日本の人は英語教材として使う(ので共同制作ニーズは今ないらしい)と認識している」とのこと。 ・・・もったいない・・・

キャラクターがあまりにも有名になっていたため、完全にディズニーなどと同じジャンルかと思っていた私は明らかにセサミストリートで学ぶ機会を十分に持てなかった日本人の一人。(お母さんといっしょ、ポンキッキ→こどもチャレンジの記憶はぼんやりとある)

今受講しているクラス、Informal Learning for Childrenを受講している100人あまりの学生(おそらくアメリカ人が8割前後)でセサミストリートで育っていない学生は片手で数えるほど(私はその一人)

進化を続けているセサミストリート、グローバルスタンダードになりつつあるセサミストリート(特に南アフリカやバングラディッシュなどの発展過程にある地域での展開が目覚ましい)

今までこのような世界を全く知らなかった自分。
もっと多くの人にこの発見を共有したいと思っています。


Previous
Previous

「正しい答」は自分の中に

Next
Next

Informal Learning for Childrenでの密度濃い体験